今回はハテナの塔をプレイした感想です。
1週目のエンディングまでプレイ済みです。
(ネタバレありですので、お気を付けください)
まず結論から言うと、不満点が多かったです。
今回は、結構悪く書かせていただきますので、ファンの方はブラウザバック推奨。
Contents
レビュー① 戦闘がヌルすぎる
不満点としては、まずローグライクではないという事です。
今作はローグライクという触れ込みだったので、僕は「不思議のダンジョン」のような歯ごたえのあるゲームを想像していました。
加えてカードゲームにしてしまえば、すでに偉大な先駆者である「Slay the Spire」が存在しています。
そうした「ローグライク」という言葉につられてゲーム性を期待していると、とんでもない肩透かしを食らいます。
なぜなら、このゲームは「ヌルゲー」だからです。
ローグライクではなく、「ローグライト」と言えばそれまでかもしれません。
しかし、ローグライトだったとしても、それ以前の問題です。
まず「カードのドローがノーリスクで無限」というのが、もうゲーム性を壊しています。
カード系ゲームの面白いところは、戦闘の方向性を考えたり、デッキを圧縮したり、何を切り札にするかを考える事にあると思います。
そうしたゲーム性が皆無なので、同じことを繰り返すだけの作業となりました。
また、カードのパターンが少ないため、コンボによる爽快感もありません。
カードの種類はいくつかありますが、特定のカードが数枚あれば事足りてしまうのです。
剣士なら「剣・薬草(肉)・盾・松明」。
魔法なら「火・水・回復魔法」。
神技なら「指2~4枚・薬草(肉)」。
以上。
あとは、敵の行動パターンに合わせて同じカードをひたすら使い続ければOKというね。
「レアカードが引けた!」みたいな喜びもなく、ラスボスまで淡々としたものでした。
レビュー② 繰り返しを強要される
さらに、このゲームでは、2組で最下層に降りるという事を4回も繰り返さなければならないという作りになっています。
確かに、初見では「どうやって攻略すればいいか」を考えるのは少々楽しかったです。
しかし、1度解いて答えが分かったパズルを、何度も何度も解かないといけないのは、かなりの苦痛でした。
一応、途中で「9Fまでスキップ」できるルートもあります。
しかし、その出現も運次第で後半になる事も。
さらに、なぜか「70%の確率」という、これもまた謎の運ゲー要素が阻害してきます。
戦闘やダンジョン攻略のどの部分を「面白さ」として訴求しているのか、さっぱり分かりませんでした…。
レビュー③プレイヤーに与える苦痛の要素
とにもかくにも「作業」を強要されるこのゲーム。
そんな中で、僕がもっとも印象に残ったのは、4Fを阻む「巨大な何か」がウザすぎるという点でした。
僕は発売当初にDLしたので、攻略サイトもなく、自力で攻略するのが本当にめんどくさかったです。
攻略としては「巨人のカード」を使えばいいのですが、ほぼノーヒントで、気づきにくかったです。
しかも、そのカードの選択は日ごとに1度切りで、間違えると強制的に入口まで戻されます。
そのため、本当に無駄な作業を強要され、僕は何度も4Fまでやり直しを続けました。
せめて何かは残そうと、パン集めだけは必死にやっていました。
ところが、せっかく集めたパンは、後半で子らが「すべてを食い尽くすor捧げる」というイベントが待っているという地獄…。
爽快感のある要素もないのに、イライラ要素だけはしっかりと組み込まれていました。
レビュー④ 雰囲気を楽しめない雰囲気ゲー
インタビューを見る限り元々が「総合芸術」がゴールだったらしいです。
それをローグライトに持ち込んだ結果が、「ゲーム性のなさ」に繋がっているといえるのかもしれません。
確かに、ビジュアル面ではかなり惹かれる部分はあり、僕もそれで購入を決めたところはあります。
味方キャラも敵キャラも魅力的なビジュアルですし、音楽も雰囲気にぴったりで、神ゲーの予感を感じました。
しかし、肝心のキャラ同士のやり取りやイベント数が少なくて非常にがっかりしました。
これは雰囲気ゲーとしても残念な出来であり、浸れる時間があまりなかったです。
例えば、キャラクターは総勢20名で、そのうちの1週ごとに9人が選ばれるシステムです。
ところが、キャラクターの紹介等アッサリしているので、「どうやって感情移入していいか分からなかったです。
戦闘中のセリフも、出かける前のセリフも、ほぼ同じことしか言わないので飽きました。
一応、ちょっとしたキャラ同士のイベントが発生するも、本当に些細な事しか起きません。
それに、相性で能力や戦略が変わるわけでもないですし。(ごく一部を除く)
しかも、数少ないイベントを見るためには、いちいち塔に入る⇒戻るを繰り返すことが求められるため、無駄な時間でしかありません。
作業を繰り返して、ようやくプロフィールを100%にしても、書かれているのは数行程度。
見返りがあまりにも少なすぎます。
ゲーム内のステータスとしての愛着度は上がりますが、プレイヤーとの乖離が生まれている気が…。
一応、愛着度を100にするとエンディングでその後が描かれるというメリットはあります。
しかし、プレイヤーとしては愛着がそれほどないキャラのエンディングは、それほどご褒美にはなりません。
また、世界観も説明はほぼなしであり、最後になって「なんとなく分かる」気がする程度。
それはそれでいいのですが、僕は塔に対して「産道」的なイメージをしてしまったので、それ以上考察する気にもなりませんでした。
つまり、雰囲気を楽しもうと思っても、楽しめそうな要素がないという感じです。
たとえ戦闘はつまらなくても、「イベント数」を増やせば、それなりのゲームとして完成していたと思うのは僕だけでしょうか。
レビュー⑤「最後の1人」までの時間稼ぎについて
そして、頑張って作業した先にあるのは、インタビューでネタバレされていました。
この話のオチはプレイしていただければ分かるんですが(笑)、閉塞感の中で最後にひとりだけ残る切なさ。これがすごいんですよ。
そして“使いやすい子“がさっさと降りていく中、最後に残るのは“微妙な感じの子”。この焦点の当て方が美しくて、無意識の中の主人公というか……。今まではふたりでやってきたことをひとりでやらなければならない。これまでの経験との勝負になりますし、本当に辛い。
参照URL:https://news.denfaminicogamer.jp/interview/230420a
「最後に残った切なさ」を味わいつつも、これまでの経験を活かして困難を乗り越える…的な。
確かにその狙いは面白いと思いました。
僕は途中で投げようかと思ったのですが、「この作者の意図を汲んでからやめよう」と思い、何となく最後までやる事にしたのです。
しかし、やはり最後の1人になったとしても「クリアまで同じことを繰り返しだったなぁ…」という感想にしかなりませんでした。
もし、その狙いを活かすならば、バトルがもっとスリリングだったら良かったのですけれども。
というか、そもそもそんな肝心なところを発売と同時に公式でネタバレしていいんですかね…?
ハテナの塔の感想 最後に
さて最後になりますが、ここまで辛辣に描いたのは、僕が発売前から大いに期待していたからでした。
僕がこのゲームを知ったのは、発売から数か月前。
雰囲気やイラストに惹かれ、「インディーゲームらしく、尖っていて面白そう」と思ったからです。
導入部分とかプロモーションは本当に興味をそそられるんですよね。
そして発売直後に、意気揚々と購入した僕。
ところが、ふたを開ければ、特に面白みもないゲームでしかありませんでした。
しつこいようですが、戦闘に重きを置くならば「slay the spire」があります。
また「Inscryption」というゲームもありますが、これはカードの面白さだけでなく、色んな意味で作り込まれている怪作でした。
そのため、僕は勝手に「期待を裏切られられた」という被害者面をし、憤りを覚えて、こうして感想を書いている次第です。
せめて「ローグライク」というジャンルに抵触さえしていなければ、別にガッカリする事はなかったかもしれないのですが。
一応、スコアタ的なモードも終えましたが、このスピード感が本編でも切り替えが出来たらありがたかったです。
というわけで、僕からは以上になります。
不愉快になられた方には申し訳ございませんでした。
追記。
2023年の6月23日にアップデートされたようです。
高速モードや、高難度の「HELLモード」が追加されたようです。
まだプレイしていませんが、これがハマれば、上記の不満点は解消されることになるかも‥‥?