真・女神転生3のリマスター版をクリアした感想です。
というわけで、オリジナル版との比較等を交えながら、個人的な評価を書いていきます。
※プレイ環境はニンテンドーSwitchとなります。
Contents
メガテン3 オリジナル版について
本作は「真・女神転生3」のリマスターという事ですが、実はオリジナル版は3種類存在してます。
「ノクターン」「マニアクス」「マニアクスクロニクル(マニクロ)」です。
ノクターンは通常版、マニアクス/マニクロは追加要素を入れた上位互換作品となります。
中でもマニアクスとマニクロはプレミア化していて、入手困難ソフトとされていました。
しかし、今回の「HD REMASTER」では「マニクロ版」がベースとなり、安価でプレイする事が可能となりました。
これまでノクターン以外をプレイしたくても出来なかった人にとっては嬉しい作品ではないでしょうか。
とはいえ、ノクターンの発売日が2003年なので、今さら感もあったかもしれませんが…。
(ちなみに筆者はノクターンとマニクロをクリア済みです。)
メガテン3のリマスターがひどいと言われる理由
メガテン3のリマスターは発売当初、ひどいといった意見も目立ちました。
初期バージョンではステータス画面を開いたり、セーブ・ロードをする際、レスポンスの遅さに不具合があったとの事。
そのため、PS2時代よりも動作が遅いという問題があったようです。
しかしその後アップデートにより修正され、最新Ver.1.02では問題なく快適に遊べるようになりました。
ゲーム自体に変更はなく、オリジナル版を尊重した作りとなっており、今回のレビューも現行バージョンに則ったものとします。
システムの変更点について
ストーリー、バトルシステムもオリジナル版と同様です。
リマスターでは遊びやすく改良された要素もあるので、そちらについてもご紹介します。
ロード時間の大幅短縮
まず大きく変わったのはロード時間の短縮です。
アップデート後はかなり快適であり、一瞬でロードが終わり、セーブもあっという間に終わります。
本作はバトルで全滅しやすいため、ロード時間がかかるとストレスとなりますが、短縮されたおかげで遊びやすくなったといえるでしょう。
ただ、セーブに関しては3~4秒ほどの演出が毎回あるため、それは若干煩わしいですが…。
仲魔のスキル継承のしやすさ
もう1つ大きく変わった点は仲魔のスキル継承のしやすさについてです。
オリジナル版では、仲魔のスキル継承はランダム要素が強かったので、狙ったスキルはなかなか付けることが出来ませんでした。
合体結果を1度表示させ、気に入らなかったらキャンセルし、再び合体結果を表示させる…、という事を繰り返す必要があったのです。(通称○×ゲームと呼ばれる由縁です。)
リマスター版ではアップデートされた後、スキルを自由に選ぶことができるようになりました。
仲魔によっては継承不可のスキルもありますが、遊びやすくなったことに変わりません。
ただ、ガチ勢だった人にとっては物足りない仕様になったかもしれませんけれど。
有料DLCの追加
稼ぎ用の有料DLCも2つ登場しました。
経験値稼ぎ用の「坊ちゃまの情け」。
お金稼ぎ用の「主の期待」です。
今作は仲魔のレベルが非常に上がりにくいのですが(主人公の3倍は要します)、このDLCによって解決されることに。
とはいえ、使わなくても普通にクリアできるので、その辺はお好みです。
難易度「merciful」の追加
メガテン3をやってみたいけど難しそうでとっつきにくい、という方もいるでしょう。
そんな方のために、慈悲深い難易度と言われる「merciful」が登場しました。
戦闘難易度がかなり下がり、ストーリーだけを追いたい場合や、エンディングをコンプしたい場合にも有効かと。
無料DLCなのも安心です。
ボイスについて
イベントにボイスが付くようになり、また違う楽しみ方が出来るように。
この辺はお好みであり、イメージが変わってしまう恐れも?
ボイス設定をMINにする事も可能です。
ストーリーについて
ストーリーについての変更は全くありません。
大まかなストーリーとしてはこんな感じです。
- 「世界を創り直したい」と願う者たちにより「東京受胎」が行われる。
- 「東京受胎」とは1度この世界すべて破壊し、新しい世界を創り出すという儀式の事。
- 人間たちはほとんど死に絶えたが、主人公及び数名の人間だけが生き延びる。
- 生き延びた彼らの使命は、それぞれの「コトワリ(創世理念)」を開き、再び世界を作り出す事。
- 荒廃した世界の中で、3人は自分の理想とする世界を思い描いていく。
1人目は「生きとし生けるものの意思や活動を全て停止させる」という静寂の世界。
2人目は「優れた者のみだけが存在する」という弱肉強食の世界。
3人目は「他人との関りを否定する」という超個人主義の世界。 - 創世できる者は1人だけであるため、他人のコトワリを否定し、打ち破らなければならない。
- 一方、悪魔となった主人公は自らコトワリを開く事は出来ない。
- しかし、彼らのコトワリに賛同する事も出来るし、否定する事も出来る。
- 果たして、主人公の選ぶ新しい世界とは…!?
というあらましとなっています。
主人公は三つ巴の争いに巻き込まれるという立ち位置なので、これまでのシリーズの中でも分かりやすいストーリーかと思われます。
6つのエンディングに分岐しますが、ルートはほとんど変わりません。
ただし、アマラ深界を進めるか否かによって、ラスボス戦等が大きく異なるのでご注意を。
戦闘は粗削り感は否めないが…
メガテン4や5に比べると、戦闘は粗削り感もあります。
防御がなかったり、スキルのバリエーションも多くはなく、仲魔毎の特性もありません。
ボスも極端に強いものや、そうでもないものの差が激しかったりとまちまち。
しかし、後の作品に継承される「プレスターンバトルシステム」の元祖となる作品です。
敵の弱点を突く事の爽快感、逆に弱点を突かれて形成逆転されることへの緊張感。
いつでも雑魚的で全滅する可能性を孕みながらも、対策を練って打開していく達成感が味わえます。
スキルの組み合わせもプレイヤーに委ねられ、育成も非常に楽しいし、やり込み甲斐もあります。
古さはあるものの、今でも十分遊べるレベルだといえるでしょう。
ダンジョンは面倒なギミックが多い
ダンジョン攻略は結構面倒臭い部類です。
筆者は5,6週しているはずですが、「どうやって進むんだっけ?」と毎回迷ってしまいます。
7年ぶりくらいに本作に触れましたが、しっかりと迷いながらプレイしました。
落とし穴やワープなどのギミックも多く、同じところをグルグルと回ることもしばしば。
雑魚戦による消耗も蓄積するとしんどくなるため、難易度としてはそこそこ高いかと。
少しでも楽に攻略するために「エストマ」や「トラフーリ」があると心強いです。
他「チャクラの具足」があるとMPには困らないため、主要メンバーにつけておくとよいでしょう。
いかに負担を減らしつつ、有利に攻略していくかを考えるのも本作の楽しみ方でもあります。
不親切な点
レトロゲームにありがちな不親切な点は、リマスター版でもいくつか残っていました。
たとえば、オートセーブに非対応であり、せっかくボスを倒しても、セーブポイントまで戻る最中に雑魚的に倒されたらやり直しになります。
ムービースキップもできないため、ボス戦で同じイベントを見ないといけません。(会話はボタン連打で流すことはできますが。)
また、スキルの順番を入れ替えも出来なければ、仲間の順番も入れ替えることは不可能です。
そのため、フィールドで使いたいスキルを持つ仲間を常に上に並べておきたい、といった操作は出来ません。
アマラ深界のワープでも強制的にミニゲームが始まり、スキップも出来ない仕様なのは相変わらずです。
そうした多少の不便さは感じざるを得ませんでした。
筆者のような古参にとってはそこまで不快感はないですが、新規プレイヤーにとってはストレスを感じられるかもしません。
総評:古さを感じるが、今でも楽しく遊べる女神転生
メガテン3は古さも感じるものの、未だに遊べる高い完成度ではあるといえます。
さすがにSFC時代の真・女神転生1、2ともなると、今ではかなり遊びにくいゲームでしょう。
1,2の場合はストーリーは重厚でも、戦闘や育成の楽しさはあまり感じられなかったり。
しかし、3ではダークな世界観をもつストーリーはもちろん、特にバトル面が洗練され、非常に中毒性の高いゲームへと変貌しました。
主人公のスキル選びは未だに悩せるほどであり、仲間のスキル継承も簡単になって遊びやすくなっています。
多少の不親切な面はレトロゲームの仕方ないところではありますが、それを上回る面白さがあったと思います。
難易度もやや高めなので、それを乗り越えるための創意工夫の楽しさと達成感が得られるのです。
また、ノクターンではなく、プレミアであった「マニクロ」がベースとなっているため、より深い物語とバトルも堪能できます。
もっと難易度を上げるための追加要素がなかったのは残念ですが、「またプレイしてみようかな」と思った方を損させることはないはずです。
とはいえ、新規プレイヤーがハマるかは謎ですが、PS2版をプレイした当時は本当に神ゲーだと思ったのを覚えています。
もちろん、発売から十数年たった今プレイしても色褪せない名作だと思います。
というわけで、今回は以上です。