漫画版「OMORI」の感想です。
ゲーム版との違いなども交えながら、作品の考察もしてます。
ネタバレもあるのでご注意を!
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OMORIの原作ゲームについて
OMORIの漫画は、同名のゲームをコミカライズしたものとなります。
元々はアメリカのインディーゲームで、制作者は「OMOCAT」。
ゲームのジャンルとしてはRPGですが、「引きこもり」を題材にしてるという変わった作風。
また、ホラー要素も多数あるため、ただのRPGとは一線を画す独特なゲームとなっています。
OMORIの1巻を読んでみた感想
すでにゲームプレイ済みだと、原作と違う場合が批判点になりがち。
なので漫画版の存在は知っていても、「原作と違ったら不安」という理由で読むのを躊躇う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、本作は開発元であるOMOCAT監修であり、打ち合わせの上作成されているため、安心してお読みいただけると思います。
以下、ゲームとの比較を交えながら感想を書いていきたいと思います。
絵柄の変化について
個人的に読んでみて第一に思ったのが「絵柄がめっちゃくちゃ可愛くなっている」という点です。
元々のゲームでは鉛筆やクレヨンで書いたような、アナログの手書き風タッチでした。
そんな原作の繊細さを残しつつ、漫画ではデフォルメされ、柔らかとトゲトゲしさを併せ持つという独特の絵柄となっています。
好みは分かれるかもしれませんが、作画や表現力は卓越したものがあるので、僭越ながら「上手い」といって差し支えないかと。
サニー(omori)の描かれ方
無表情だったイメージのサニーですが、彼の表情が常に変化するところは漫画ならでは。
また、セリフは一切なく、ゲーム同様に漫画でも終始無口となっています。
そのためイメージが崩れる事はありませんし、喋らないからこそ、表情の変化が際立ちます。
特に、恐怖や悲しみという表情によって、何も語らなくても伝わってくるという作画の情報伝達力が非常に高い。
一方、漫画から入った人は、「セリフが全くない主人公」に違和感を覚えるかもしれません。
原作を大事にするファンにとってはイメージが守れる反面、仲間との会話も一切ないのは、少々読み辛い所といえるでしょう。
ストーリーの流れについて
ゲームでは「ヘッドスペース」と呼ばれる「サニーの脳内にある世界」と、通常の「現実世界」を行き来する展開となっています。
(※脳内にある真っ白な空間を”ホワイトスペース”、冒険する空間は”ヘッドスペース”と呼ばれています。)
サニーが引っ越しするまでに残された3日間、ヘッドスペース⇒現実⇒ヘッドスペース⇒…という順序で進行する形です。
これは「一日毎」という区切りで変化するため、プレイヤーにとっては分かりやすかったです。
しかし、漫画版では少々異なる展開を見せます。
おおむね、ヘッドスペースと現実世界を行き来する流れは同じです。
ただし「一日毎」という区切りはなくなったのが大きく異なります。
漫画版は、現実世界において、サニーがトラウマや恐怖に触れた時に「ホワイト及びヘッドスペースへと逃げる」という風に描かれるのです。
その展開には「なるほど!」と思いましたが、そこそこの頻度で切り替わるので、やはり初見の人が読むには分かりにくいのかもしれないと感じました。
ホラーなどの描写について
1巻ではまだ明かされない謎も多く、ホラー描写を見ても「怖い」というよりも「どういう意味なんだろう?」という謎に近いものがあると思います。
それらの謎が明かされるのはゲームでも後半であり、物語の根幹でもあります。
しかし、その謎が徐々に明らかになる事で、物語やサニーへの理解がより深まるはずです。
すでに知っていたとしても、漫画ならではの表現もあるため、最後まで見届けたいところ。
例えば、サニーがオーブリーへの優しさを見せるシーンは、ゲームにはない見所でしょうか。
また、サニー4年ぶりにバジルと再会した時の静まり返るような空気感や、「マリ」の名前を出された時の反応など、苦しみがより一層深いものとして描かれているのです。
再プレイしている気分になれる!
初見であれば、謎が明かされるまで長いかもしれませんが、全てが分かった時の感慨には、えもいえぬ物があるはずです。
ゲーム経験者からすれば「再プレイしている」気分になれます。
発売から数年経ち、結末は覚えていても、細かい所は割と曖昧だったりするかもしれません。
そういう意味では「ああ、こういうシーンあったな」とか「こんなキャラいたな!」という懐かしさを感じられると思います。
ゲームをただ再プレイするだけではなく、「違う角度からの見方」が出来るため、そういう意味でも価値のある一冊なのではないかと。
OMORIの2巻の見所と感想
2巻ではホワイトスペースから始まり、やはり現実世界と行き来しながら物語は進行。
しかし、オモリがスペースボーイに渡した手紙の異質さがかなりホラーであり、ゲームにはなかった要素なので、普通に怖かったです。
また、スイートハートとのバトル描写は激し目であり、戦闘の作画もかなりレベルが高いと思いました。
ストーリーの進行のペースも割と早めであり、残すところ「あと二日」まで進行。
アルバムを手にしたり、過去の思い出を振り返るシーンなど、徐々にお友達との関係が明らかになっていきます。
そして、オーブリーとのケンカの際、溺れてしまったサニーを助けに颯爽と現れた「ヒロ」が登場!
このヒロの登場シーンはゲームでも感動しましたが、やはり漫画でも同様の気持ちを覚えました。
ケルとヒロは、物語の中でも「光」の部分なので、彼らを見ると心強い気持ちになりますね。
この後仲直りするシーンも恐らく描かれるはずなので、第3巻も心の底から楽しみにしています!!
ストーリーの分岐について
さて、ゲームでのOMORIでは、ケルの訪問を受け入れるか否かによって、ストーリーが分岐します。
漫画で描かれているのはサニールート呼ばれる、いわゆるトゥルーエンドを迎える分岐。
一方、ケルを拒絶した場合、ずっと部屋に引きこもり続けるという「オモリルート」が存在してます。
オモリルートはひたすらヘッドスペースの中を探索し、このルートでしか行けない場所も多数存在しているのです。
しかし、それだと話が膨らまないと思うので、その点は漫画だとカットされる可能性が高いでしょう。
また、選択によってエンディングも分岐するのですが、さすがにバッドエンドを迎える事はないと思いたいです。
ブラックスペースについて
このゲームの最大のホラー要素は「ブラックスペース」にあるでしょう。
暗くて奇妙で不気味で、予想外の出来事が起こるという、サニーの心の闇を象徴するような空間です。
ゲームプレイ時はかなり恐怖を感じたものですが、漫画での描かれ方も非常に気になるところ。
表現はかなり難しいとは思うのですが、ぜひとも挑戦していただき、カットはしないで欲しいですね。
さらに恐ろしい「ブラックスペース2」もありますが、それもオモリルート限定なので、流石に描かれる事はないでしょう。
しかし、もし可能であればぜひ見てみたいですが、まずはどう展開していくかを追いたいです。
漫画版「OMORI」まとめ
絵柄は賛否あり、自分も最初は「原作とちょっと違うかな」という理由で敬遠していました。
しかし、自称OMORIのファンであるため、ようやく手にする事を決めました。
最初は絵柄の違いに抵抗はあったものの、読み進めているうちに巧みな表現に引き込まれてしまう事に。
原作再現もありながら、独自のホラー表現もあるなど、目が離せません。
今では続きを楽しみにするほどハマってしまったので、作者である此糸縫先生に感謝!!
ゲームプレイ済みの方は、「OMORI」という作品のすばらしさを再認識できるはずなので、ぜひ読んでいただきたいですね!
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