またまた今回もゲーム「omori」の感想です。
前回、初めてサニールートをクリアし、しばらくその感動の余韻に浸っていました。
そのあとネタバレサイトを漁り、引きこもりルートの存在を知るに至りました。
ただ、そのルートは「バッドエンド確定」という事が分かったため、再プレイするモチベは正直湧かなかったです。
しかし、初回クリアの際、「バッヂ(実績)をわずか20%ほどしか解放できなかった」という心残りもありました。
これでは十分「omori」を楽しんだとは言えません。
そこで「実績全て開放するためにも、引きこもりルートをやってみよう」と思い立ちました。
というわけで、チャートをブログに書きながら引きこもりルートを始めて1週間。
ようやくチャートを完成させることが出来ました。
ただし、実績は100%に達したものの、余りにも怖すぎて、出来なかったイベントもあるのです…。
今回は、そんな「引きこもりルートが怖すぎた」という感想を書いていきます。
例によってネタバレありなのでご注意を。
2週目のブラックスペースは怖い
引きこもりルートはサニールートより、はるかに怖い要素が満載でした。
前回は「ジュブナイル」という印象だったのですが、このルートにはそんなものは存在せず、「ガチのホラーゲーム」でしかないと感じました。
僕がその恐怖を特に感じるようになったのは、再びブラックスペースに来た時です。
初回のサニールートでは、よく分からないまま「何となくヤバそうな世界」という認識でした。
謎めいたオブジェクトやセリフ、オモリ達の秘密への好奇心もそそり、ちょっと恐怖をあおる場所くらいの感覚だったのです。
しかし、2週目になると「その意味が分かってしまう」ことが大きな恐怖のポイントです。
「これはこういう意味なのか…」などと考えてしまうようになり、闇に呑まれそうになってしまうのです。
なので、あまり深く考えず、最初とは打って変わって淡々と作業をこなすようにしていきました。
幸いな事に、8か所目の扉を開けると「赤い扉」が出現するため、僕はすぐに脱出しました。
9つ目の以降の扉のイベントは、任意という仕様なのです。
恐らく、僕のようなチキンへの救済措置的な意味だったのかもしれません。
こうして怖いイベントを見ずに済み、事なきを得たと思ったのですが、まさかこの後にあんな恐怖が待っていたなんて…。
引きこもりルートは「あと1日」からが本番
さて、この「引きこもりルート」ですが、途中まではほぼサニールートと同じです。
しかし、「あと1日」からは大きく変化していきました。
サニールートではイマイチだった「戦闘」が、かなり面白くなっていくのです。
なかなか歯ごたえのある敵も多くなり、戦略を練らないと勝てない敵も出てきました。
このゲームの特徴である「感情システム」をもっと味わいたい!という欲求を満たしてくれる作りなのです。
また、オモリ専用の最強スキルの「異質さ」と「圧倒的なダメージ量」に、中二心をくすぐられたりも。
こうして、さらなるRPGの世界「ヘッドスペース」にのめり込み、強敵との闘いを大いに楽しんでいたわけですが…。
ボスラッシュが楽しかったけれど…
そんな調子に乗った僕ですが、いよいよ終盤のメインイベントである「ボスラッシュ」に挑みました。
これは、ひたすらボス敵と戦い続けるというシンプルなルール。
通常はいつもの4人で戦うのですが、問題はそれを終えてからです。
1度クリアすると、次は「バジルとの2人だけで挑む」という新たなボスラッシュが始まるのです。
これは実績にも何の関係もありませんし、その見返りがあるかどうかも分かりません。
けれど、すっかり戦闘にハマった僕は、「やってやるぜ」と言わんばかりに攻略にのめり込みました。
それに、ついにバジルと共闘できるというのも、特別感があってテンションが上がりました。
特にラスト付近の「オーブリー、ケル、ヒロ」の3人組は作中でも最も強く、何度もゲームオーバーを繰り返しました。
心が折れそうになれながらも、戦略を練り、ようやく勝利をつかんだ時は、達成感を味わえました。
そして、「やっと終わった…」かと思いきや、次はまさかの相手とのバトル発生。
一応、ネタバレサイトで知っていましたが、その後の展開までは知らず、予測不能でした。
そして、僕はこの戦闘の際、作中で最も深い恐怖のダメージを負ってしまったのです…。
まさか、最後の最後であんなシーンが出てくるとは思いませんでした。
僕にとっては正直、作中屈指のトラウマでした。
なんというか、「見てはいけないもの」を見てしまった気分です。
サニーのトラウマに共感出来た瞬間
ボスラッシュの例のシーンは、サニーの抱えたトラウマというものが何なのか、ダイレクトに訴えかける形でした。
サニー視点で、しばらくの間「吊るされたマリ」を直視しなければならなかったのは、さすがにキツ過ぎます。
しかも、戦闘画面なので「攻撃」を余儀なくされるという地獄が待っています。
(ちなみにサニールートでは「乗り越える」という選択が出来ましたが、引きこもりルートでは、ひたすら殴り続ける事しか出来ないという、恐ろしい展開でした…。)
そのシーンは恐らく、サニーが本当にバジルと2人きりで見た光景だと僕は思います。
マリを突き飛ばしてからは無我夢中だったのでしょう。
それから木に吊るした時に「なにか」としてサニーに見えるようになったわけですが、それは後の話。
ボスラッシュ時のマリは、吊るした直後の本物の姿が描かれていたのだと思います。
バジルたちが「吊るした事」を自分たちのせいではなく、「なにか」のせいにして、現実逃避をしていたと考えられるのも頷けます。
また、サニーが引きこもりになった理由やその罪の重さについて、より深い共感を得られるようになった気がします。
加えて、ルートの違いによるギャップが激しすぎて、軽い絶望感も味わえました。
友達という存在
そして、このゲームは、ボスラッシュよりもさらに恐ろしいダンジョンが存在します。
それは「ブラックスペース2」と呼ばれる場所です。
そこでも更なる恐怖が待ち構えていました。
あまりの予測不能の怖さに、僕は途中で断念してしまいました。
ただ好奇心のあるチキンなので、こっそりと「プレイ動画」を見るに至りました。
そして、本当に「プレイしなくてよかった」と思いました。
もちろん、本当は自分でプレイしたかったのですが、動画を見ていて思ったことがあります。
それは、サニーの闇は想像以上に深いという事でした。
これだけの闇を抱えていたら、そりゃあ引きこもりにもなるよなと。
それと同時に、こうも思いました。
それは、よく「サニールート」という道があったなという事です。
サニーは、ケルと再会してから、わずか3日足らずで外の世界に馴染めるようになっていくのが驚きです。
ケルを始めとした、友達の存在の大きさを認識せざるを得ません。
というか、サニールートではそもそも「ブラックスペース2」には行けないという事を考えると、やはりケルたちがセーフティーネットになってくれたのかもしれません。
もちろん、サニールートにおいても「バッドエンド」を迎える場合もあるので、最後の最後までギリギリのラインに立っているサニーが、なんだか悲しく儚い存在に思えてきます。
それにグッドエンドを迎えたからと言って、サニーのトラウマはすべてなくなったわけではないはずです。
罪に対してどう向き合っていくかも想像次第です。
サニールートのエンディング時点でも、あくまで「ようやく自分と向き合うことが出来た」という、限りなくマイナスに近いスタートラインに立てたというレベルなのでしょう。
それでも唯一の救いは、サニーには無二の友達がいると信じられることです。
一方、引きこもりルートは本当に救いがなく、唯一の救いが死だけなのがなんとも…。
To be, or not to be
思えば、ヘッドスペースでも、唯一の救いを求めるからこそ、何度も自らを刺してきたのかもしれません。
そうやって架空の自分を殺めることで「現実の自分」を守ってきたとも言えます。
いったいこれまで何人のヘッドスペースのサニー(オモリ)は犠牲になってきたのでしょうか…。
そして、迎えるバッドエンドも、否定してはいけないと僕は思います。
結局は誰かの支えがあってもなくても、決めるのは他でもない自分自身なのですからね…。
引きこもりルート 最後に
さて、最後になりますが正直、一本のゲームでここまで考えさせられたことはありませんでした。
僕はハッピーエンドが好きなので、ゲームは基本的に「楽しかった」で終わらせたいのです。
ところが、何だこのゲームは…。
特にボスラッシュでは、勝利の余韻とか、意外なバトルという事もあり、しっかりとゲームを楽しんでいたのです。
それなのに、不意打ちのようにやってくる恐怖シーン。
むしろ特典が欲しいくらいなのに…というか、あれは特典だったのでしょうか…?
むしろ、ヘッドスペースに楽しさなんてない、たどり着く先に幸せなどない、という警告だったのかもしれませんね。
ただ、僕自身も軽いトラウマになってしまい、もはや気軽にプレイできなくなってしまいましたよ…。
それに何が一番悲しいかって、結局、マリは何をしても帰ってこないというのが悲しいのです。
というわけで、感想を色々書かせていただきましたが、今回はここまでとなります。
ちなみに、引きこもりルートの実績解除のチャートはコチラになります。
ご興味があればぜひ。
追記:サニールートも完成していますので、「シークレットエンド」や「愛され者」の実績だけこなしたいという場合は、下記のリンクからぜひ。
⇒OMORI 全バッヂ(実績)解除の攻略チャート 【後編 サニールート】