『みいちゃんと山田さん』を読んでいると、どうしても気になってしまうのが 「この物語は実話なのか?」 「作中の事件は本当にあったのか?」 という部分だと思います。
僕自身、読み進めるほどにリアルな描写が続き、「モデルとなった出来事があるのでは…?」と感じたひとりです。
そこで事実と噂の境界について視点で解説していきます。
みいちゃんと山田さんはフィクションである!
本作は「みいちゃん」という知性にハンデがある子がキャバ嬢として働き始め、その12か月後に殺害されるまでの過程が描かれた漫画です。
夜の職業事情や、そこで働く女の子にスポットが当てられているため、「実話」のように見えるほどリアルな作風となっています。
しかし、亜月ねね先生のXのポストによると「登場人物に特にモデルはいません」と明記されています。
つまり、作者自身の体験談でもなければ、本当に起こった事件が元になっているわけではないのです。

一応「みいちゃんのモデルとなった人物」はいるようですが、それ以外の人物や物語はフィクションと言う事になります。
よって本当に殺されたわけでもないし、実際に事件があったわけではないようです。
「山田さん」というもう1人の主人公もねね先生というわけではなく、やはり架空の人物というとですね。
実話だと勘違いされる理由
フィクションであるにもかかわらず、なぜ実話だと思ってしまうのか?
それは描写があまりにも巧みでリアリティがあり過ぎる事が1つの原因ではないかと。
みいちゃんのような障害を持つ子にスポットを当てた漫画は、これまでほとんどありませんでした。
それでいて解像度が高く、実際に見た事がなくても「こういう子いる」とすぐにイメージできます。
つまり、みなさんの身近にいる「みいちゃんみたいな子」をすぐ連想してしまうが故、「こういう事件が起こってもおかしくはない」と結びつく事から実話だと思ってしまうという事です。
SNSでも実際に夜職をされている方が「実話」だと思って拡散してしまうほど、本作がいかにリアルなのかを物語っています。
共感や辛さを覚えるほど突き刺さる
また、障害だけではなく、そういう子が夜の街で利用される姿も実際にある光景です。
他人から搾取されたり、腫物扱いされたり、ホストにハマってしまったり、DV男と共依関係にあったり…。
身近にはいなくてもドキュメンタリー番組や他の漫画作品でも取り上げられることはあるでしょう。
読んでいて辛さを覚える読者もいる程、自分事と捉えたり共感する人も多いと思います。
だからこそ、フィクションであったとしても「ありえる」という実感が湧くからこそ、本当の出来事に思えるのでしょう。
SNSでバズった理由
本作は元々SNSで描かれていましたが、大きな話題を呼んだ事で書籍化されたという流れがありました。
ではなぜこれほどにも話題になったのか?
それはタブーとされてる事を明るみにしたことで、今まで言えなかったことを口にできるきっかけになったからだと考えられます。
みいちゃんだけでなく、弱者男性のしげおや、また別の特性をもつニナ。
そんな彼らを利用するキャバクラの店長などなど、社会の闇をまざまざと突き付けてきます。
みんなあえて黙っていたからこそ、こうした漫画によって問題提起がなされたのだと思います。
なので、一時の話題だけでなく、後にも語られる作品になる事は間違いないかと思われます。
みいちゃんと山田さん まとめ
実話や本当にあった事件ではないにしろ、社会のリアルな闇に切り込んだ本作。
山田さんはみいちゃんの友達として付き合う事になりますが、果たして彼女は何を想うのか…。
まだ完結には至っていませんが、結末にも注目していきたいと思います。
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