DQ3のリメイク(HD-2D)はひどいよねって話

dq3 hd-2D

今回はDQ3のリメイク(HD-2D)の話です。

しかし、ゲームの内容についての話ではありません。

DQ3をやたらと神格化し、フルプライスで買ってまで「文句を言っている人って何なんだろう」っていう感想を書いていきます。

(プレイして面白かったと思う方であれば、ブラウザバック推奨。)

発売前から「ひどそう」という予測は出来ていた

そもそもHDー2D版のドラクエ3は、発売前からアレコレ不安視されていました。

フルプライスで購入してガッカリする前に、事前に判断できるポイントはいくつかあったのです。

では、具体的にどこが酷いと思われていたのかを3つ挙げていきましょう。

①グラフィックのしょぼさ

まず公式トレーラーにおける「グラフィック」についてです。

キャラクターの小ささもありますが、特に戦闘画面のしょぼさが指摘されていました。

これらのUIは、「後にスマホ版で売る事を見越しているから」という意見もあるほどです。

しかも、HD-2Dのグラフィックは「ライブアライブのリメイク」や「オクトラ」などでも使われています。

そのため、すでにそれらの作品に触れている人にとっては「使いまわし」にしか思えず、感動も薄れると思われます。

②本当に令和に出すゲームなのか?

また、令和の時代にふさわしいゲームとなっているかどうかも疑問とされていました。

実際、35年以上もの前に発売されたファミコンのゲームのリメイクでしかないわけです。

しかも、HDー2D版じゃない方のリメイク(スマホ版の移植)も、現行機ですでに遊べる状態でもありあます。

にもかかわらず、内容的には同じゲームを7,000円以上で販売してしまうわけです。

果たして、価格に見合った価値のあるゲームとなるのかが不安とされていました。

③追加要素は訴求ポイントになるのか?

しかも、DQ3のリメイクでは、すでに傑作と呼べる作品が出ています。

未だに「SFC版、GBC版のリメイクが至高!」と言われるのは、追加要素が充実していたからでしょう。

そのため、過去リメイクの評価を上回るほどの面白い要素がないと、ファンが納得できるわけがありません。

そこで追加された新規の目玉要素は主に2つ。

「魔物使い」という新職業。

「バトルロード」というDQ8でもあったミニゲーム。

以上。

このたった2点を目当てに購買意欲がそそられるのかは正直微妙と言えるでしょう。

むしろ、「もし魔物使いが強すぎて他の職業が相対的に弱くなってしまったら?」

とか、

「バトルロードもすでにDQ8でやってるし、それ以上に面白いものになっているの?」

などと、そんな風にも考えられるわけです。

つまり、どう考えても今回のリメイクは「HD-2D」というグラフィックを売りにしただけであり、内容をアップデートしたように見えなかったのです。

そして案の定、発売後には両方の不安が現実のものとなりました。

本当のゲーマーなら買わないんじゃないの?

これだけの不安要素があったのに、我先にと飛びついて購入するのは安直すぎやしませんか?

もちろん「DQ3」を愛してやまない人や、初見のライトユーザーが興味を持ってフルプライスで購入するというのは分かります。

それで満足されるのであれば何の問題もありません。

しかし、僕が疑問に思うのはもっとガチのゲーマーについてです。

これまで数多くのゲームをプレイしてきた人ならば、「買いのゲーム」くらい判断できそうなものです。

そういうコアゲーマーからすれば、DQ3のリメイクの出来が怪しいという予測は、発売前から立てていたと思うのです。

であれば、すぐに飛びつかず、しばらく様子を見てから購入もアリだったと思います。

どうせ限られた時間の中でプレイするなら、つまらなそうなゲームよりも「面白そうなゲーム」をやった方が得になるわけじゃないですか。

それなのに、わざわざ地雷臭のするDQ3を買って「期待外れだ」などと文句を言う人の意図が結構謎だったりします。

そもそも期待できる要素なんて、ほとんどなかったはずですからね。

それなのに、ブログやnoteでもガチゲーマーっぽい人が、DQ3をわざわざフルプライスで購入してまで低評価レビューをされている方もいるのです。

一体、彼らは何を期待してたのでしょうか?

というか「わざわざ文句を言いたくて、悪評を書く前提でプレイした」という風にしか見えないのです。

もちろん、ライトユーザーの方でも低評価される方もいるかもしれません。

しかし、彼らも多少は判断する場面はあったと思います。

そもそも令和に発売されただけで「新作」を装っていますが、元はと言えば1988年に発売された「ファミコン」のゲームでしかないのです。

そんなゲームに最初から多くを求める方もどうなのか?という所です。

前評判を覆して欲しかった

もちろん、本当に面白いゲームであれば、そんな前評判は覆った事でしょう。

ロマサガ2Rのような会心のリメイクであれば、僕のような日和見派も「そんなに出来が良ければ買ってみよう!」となったはずです。

けれど、発売後は残念ながら前評判よりも悪いレビューも散見されるようになりました。

なんといっても「ゲームバランスの悪さ」が指摘されてしまったのが致命的です。

例えば、魔物使いがやたらと強いという事です。

これだけで他の職業を使う意義が分からなくなります。

しかも「勇者より強い」とか言われているので、本当に追加した意味が分かりません。

さらに、物理攻撃の通りにくさ、ラリホーが強すぎるなど、いつものDQですらないという始末。

せめてゲーム内容がまともだったら遊びたいと思うのですが、これではゲーマーの食指を動かす事は出来ないのではないかと。

それが残念でたまらないのです。

FFやDQはめちゃくちゃやらなければコケないタイトル

とはいえ「DQ3は低評価だから売れなかったのか?」と言われれば、そういうわけではありません。

実際、DQ3の評価はどうあれ「200万本を販売した」という事に違いはないのですから。

(参照:https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1645481.html)

コアゲーマーからは不評なのはお察しですが、それでも彼らは「買ってしまっている」のです。

たとえ一部では低評価なゲームとだと浸透したとしても、そんな評価に関係なく売れたのです。

では、なぜここまで売れたのでしょうか?

大きな理由として1つ考えられるのは、「DQ3というタイトルのブランド力」だと思われます。

実際「ブランド」というのはとてつもない破壊力があり、例えば「高級品」と言われただけで高い価値が生まれてしまう心理が働きます。

DQシリーズ、特に「3」は特に神格化されがちであり、社会現象を引き起こしたゲームです。

ファミコン版の発売の行列の様子は未だにテレビでも流されるほどの「伝説」として語られているほどです。

それは一種の「信仰」が生まれる事に繋がったと思います。

そんな風に「DQ3というブランドを信仰する人」が増えた結果、どうなったか?

「中身は期待していなけどDQ3というタイトルだから買った。」

そういう人も購入者の中にはいたのではないでしょうか。

つまり、名前という外側が立派ならば、中身を気にせず買うという人は意外なほど多かったりするという事です。

ちなみに、スクエニ元プロデューサーはかつて「FFやDQはめちゃくちゃやらなければコケないタイトル」という発言をされました。

それはどうやら本当だったかもしれません。

若い人たちが、安定した収支がある中で経験を積めるようにしたかったんです。『DQ』や『FF』というのはそういうIPだと思っています。若い人たちにとって最大の勉強の場。もちろん会社にとってのパイプラインだとは思っているけど、めちゃくちゃやらなければコケないタイトルだし、若い人たちが入ることでまた新しいものが生まれる可能性が広がる。そこで経験を積んで、その経験をもとに横スライドして、新しいIPなり新しい会社としての貢献ができるような立ち位置にいけるようにしてあげたいんです。

https://automaton-media.com/articles/interviewsjp/20191118-106237/3/

じゃあ実際に酷かったのか?

ただ、本当にひどいのかどうかは、その人の価値観によるため判断できない事です。

プレイして「最高に面白かった!」というレビュアーも中にはいるでしょう。

しかし、手放しで褒めるレビューほど信用できるものはなく、むしろ「どこがダメなのか」について事細かに書かれた方が、よほどやり込んでいて信頼も出来るわけです。

そういったものを多少読めば、買う前からある程度自分に合うかどうか予想できるはずです。

「低評価レビューを見て買ったけど、やっぱりレビュー通りだった」という検証をしたいがためにわざわざお金と労力をかける意味が分かりません。

そうやってブランドに流されて購入するよりかは、自分にとってより面白そうなゲームを吟味した方が良いのではないかと思う次第です。

DQ3 HD-2Dリメイクについて 最後に

最後になりますが、ここまで書いておきながら、僕はDQ3のHD-2Dを未購入のエアプ勢です。

ただし、買ってもないのに批評するなというのはお門違いです。

冒頭でも述べた通り、今回は「DQ3というブランドに流された結果、フルプライスで購入して文句を言う人たち」に対する感想を述べることが趣旨だからです。

早い話「こんな古いゲームにマジになっちゃってどうすんの?」というDQ3信仰への批判がしたかっただけの記事です。

購入された方はガッカリするのが分かっていても、DQ3への希望を見出したかったのでしょうか?

だとしたら、ファンの期待応えられなかったメーカーは酷いと言わざるを得ません。

しかし、売れてしまったのでこれはある意味「成功」であるので、恐らく改善する余地はないのでしょう。

僕としても最初こそ買う気はあったのですが、徐々に嫌な予感を感じ、なんとか踏みとどまれました。

レビューやプレイ動画を見るかぎり、やはりDQ3はSFC版で十分と言わざるを得ません。

なぜ体験版を出さなかったのか?

また、今回のDQ3がひどいなと思った理由は「体験版」が出ていなかったからです。

体験版を出しちゃうと逆に売り上げに響きそうだから、と勝手に解釈してますけど。

もしコアユーザーが体験版をプレイしたら、購入を躊躇うきっかけにもなりそうですからね。

それに、何度も言いますが元がファミコンのゲームに対し、わざわざフルプライスで買う意味が分かりません。

もっと安くなれば購入するかもしれませんけど、正直3,000円でも高いと思います。

(ロマサガ2Rもいうて古いゲームのリメイクですが、体験版を通じて内容に高い価値を感じたため、フルプライスで購入に至りましたけど。)

DQ3は別にHD-2Dじゃなくて、SFC版の完全移植をswitchで売ってくれれば3,000円なんて余裕で出せるんですけどね。
FC版の移植とかもセットなら5,000円以上の価値も感じる程。

とはいえ、もはやDQ3はゲーマーが気軽に楽しく遊ぶものではなくなったのかもしれません。

なぜならDQ3は高価な「ブランド品」と成り上がった(下がった)ため、安売りされることは決してないからです。

そうやってライトユーザーに高く売りつけて、本当のファンを裏切る商法って酷いよねって話です。

ちなみに、レビュアーの中には「仕事」としてブログやらYoutubeでゲーム情報を発信している方もいるのでしょうけれど、それはそれで大変だと思います。

地雷と分かっていても、アクセス数稼ぎや話題に乗るためにも、実際に購入してプレイしなきゃいけない…みたいな縛りもあるのかもしれませんね。
(かくいう僕も同業者ですけど。)

というわけで今回はおしまいとなります。