亜月ねね先生の漫画「みいちゃんと山田さん」について紹介していきます。
3巻までのネタバレもあるのでご注意ください。
漫画はコチラで読めます⇒みいちゃんと山田さん
Contents
みいちゃんと山田さんはどんな漫画?
まずは簡単なあらすじから紹介していきましょう。
本作は、「みいちゃん」という知性にハンディキャップを持つ女の子の壮絶な人生が語られる漫画です。
みいちゃんは新人のキャバ嬢として働くも、常識はずれな行動で周囲に迷惑を与える困ったちゃんという印象を与えます。
個人情報の扱いも雑であり、自分の間違いを頑なに認めなかったり、注意を受けても逆切れしたり、21歳なのに自分の事を「みいちゃん」と呼んだり…。
そんな自分勝手な態度のため、周囲から反感を買い、バカにされたり傷つけられていくのです。
みいちゃんなりにも見下されている事に悩んでいますが、男性と肉体的に繋がることで「対等」という安心感を得ようとしています。
むしろ「それ以外の関わり方が分からない」と言い、倫理観もかけ離れていて、ただ放っておく事しか出来ません。
そんな彼女には何らかの障害があるのでしょうが、自分では個性だと言って認めようとしないのです。
もう1人の主人公である山田さんは、そんなみいちゃんを見守るような存在です。
先輩のキャバ嬢としての指導もありましたが、やがては心を通わせてプライベートでも交友を深めるように。
割と善意で付き合ったりしますが、「面白そう」という邪な理由もあったり。
そして、この物語は山田さんと出会って1年後、みいちゃんが殺される結末を辿る事が、第1話から明かされています。
その間、みいちゃんがどう生きてきたのか、何が起こったのかが少しずつ展開されていくというストーリーなのです。
みいちゃんを取り巻く存在
物語を語る上で重要なのが、みいちゃんを取り巻く家族を始めとした人間関係です。
みいちゃんがかなり個性的であるが故、周囲からも様々な目を向けられます。
こちらも重要なので押さえておきましょう。
先輩キャバ嬢2人からは「いじめるのが楽しい」とか「こうならないように頑張ろう」。
一緒に上京してきた友達のムウちゃんからは「障がい者の仲間」。
お客さんの弱者男性からは「好きだ、早く結婚したい」。
DV彼氏からは「君みたいなダメな子を相手してくれるのは俺しかいないよ」。
などなど…。
同性からは悪印象を持たれることも多い一方、ヤバイ男たちを引き寄せてしまうという事が分かります。
家族との関わりについて
みいちゃんの出自もかなり特殊であり、実の兄妹の間に生まれた子供という事が明かされるのです。
そのため、幼少期は周囲から禁忌の子供として避けられていました。
小学生に上がってからは担任の先生がみいちゃんの特徴に気づき、積極的なアドバイスを行います。
その際に特殊学級を勧めるのですが、母親は娘を障がい者扱いされた事に怒り狂って拒絶。
おばあちゃんも世間体を気にしたため、みいちゃんが支援を受ける事はありませんでした。
みいちゃんの母親にも何らかの問題がある事が仄めかされますが、具体的には語られていません。
また、父親もみいちゃんが5歳の時に北海道への”仕事”に連れて行かれてからそれっきり。
小中学生時代を不登校児として過ごした後、おばあちゃんから家を出ていくように言われて上京。
そして、100万円という名の手切れ金を渡され、地元の人や家族とは関わりを持つことはなくなりました。
みいちゃん自身というよりも、家庭環境の問題にも言及されているのです。
みいちゃんと男性関係
みいちゃんの男性関係における価値観も結末に関わってくるかと思うので、触れておきまましょう。
みいちゃんの倫理観が崩壊したのは、中学生時代に遡ります。
当時、ピアノが得意で優しいクラスメイトである佐藤君に惚れたみいちゃん。
佐藤君と仲良くなりたい一心から、自分の奇行を徐々に抑えれられるようになりました。
強烈な恋愛感情によって、大きく変わったみいちゃんには、友達も出来るなど順調な日々を送るように。
ところがそれをよく思わなかった女子により、嘘の「両思いになる方法」を吹き込まれます。
鵜呑みにしたみいちゃんは、なんと避妊具を万引きしてしまうことになるのです。
その事が保護者や学校中に拡散されてしまい、みいちゃんに待っていたのはイジメと孤立でした。
しかも、その噂を聞いたDQNたちに呼び出され、みいちゃんは大事なものを失ってしまう事に…。
その上、佐藤君からは決別を言い渡されるという絶望を味わいます。
みいちゃんは不登校になると同時に、寂しさを埋めために、男性に見境なく言い寄るようになったのでした。
障害を持っているが故、物事の分別がつかず、他人を安易に信じて利用されてしまった不幸が描かれています。
DV彼氏のマオくん
孤独となったみいちゃんに最も近いのは、彼氏のマオ君の存在です。
上京後、みいちゃんは自分のカラダを売るようになりますが、そのお金のほとんどはDV彼氏のマオくんに搾取され続けているのです。
例えば、「会ってもらう代」、「お部屋のお掃除を手伝っても売らう代」など、一方的に金銭を要求されるみいちゃん。
それでいて機嫌を損ねればすぐにボコボコにされてしまうのです。
そんな風に、過度な暴力や暴言をまき散らしながらも、時には優しく接することで洗脳。
罪悪感を抱かせる事も上手く、みいちゃんを悪者にする事で自身を正当化もしてきます。
みいちゃんも「自分がもっといい子になってお金を稼がないといけない」という使命感を抱いているのです。
度重なる暴力に抵抗しようにも、マオくんがいなくなれば1人ボッチになってしまうという恐怖までも植え付けらえているのでした。
また、マオくんは身内に対しては強気で暴君として振舞っていますが、外部の人間を恐れる小心者でしかないのです。
みいちゃんの死も、もしかしたらマオくんが関わってくるかもしれません。
みいちゃんに救いはあるのか?
みいちゃんは生い立ちからして、救いがないことの連続です。
生まれついての障害、家庭のせいで支援も受けられない、中学生の頃から男性依存に目覚める、中卒でまともな職に就けない、DV彼氏と共依存生活などなど…。
山田さんは話し相手になったり、警察への相談も考えてくれますが、みいちゃんは「マオくんとは離れたくない」と硬い意思を見せます。
また、同じような障害を持つムウちゃんからも福祉施設を案内されますが、これも断固として拒否。
みいちゃんは「自分は障害ではない」と言い張り、認めようとしないところも大きな壁となっています。
救いようがない事の連続であり、物語の結末が「みいちゃんの死」という事も確定しているのです。
健気で笑顔も見せるみいちゃんですが、まるで救いがないお話となっています。
みいちゃんと山田さんの結末は?
みいちゃんは何者かによって殺される事は確定していますが、「誰が?」「なぜ?」という詳細については3巻の時点では不明となっています。
今のところマオくんは怪しいですが、彼に人殺しが出来るほどの度胸はないでしょう。
また、みいちゃんはヤバイ男を呼び寄せてしまう上、男性に対し一切拒絶しないという面を持っています。
お客であるシゲオくんのような男性もその一角であり、社会的に弱い男性はみいちゃんのような子を求めるのです。
また、幼い言動から周囲をイラつかされる事も多く、本人曰く「どんな優しい男でも、みいちゃんと付き合うと暴力的になってしまう」のだとか。
そんな特徴があるため、悲しいですが誰が殺してもおかしくはない存在なのかもしれません。
また、みいちゃんは自身の特徴についても、「才能や個性」として捉え、現実から目を背けてしまう事も要因なのかと。
ただ、それらを自己責任という安易な言葉で片づけてしまってよいものなのか…。
非常に考えさせられる内容となっています。
そして、これほどまでにタブーに向きあった作品はなかなかなく、非常に意義深いと思います。
3巻までのまとめ
1話では2012年の1月から物語がスタートし、3巻のラストでは5月~6月まで時が進んでいます。
死亡するのは2013年1月なので、残りの期間までどのように進展するのか気になるところです。
犯人についてもまだ言及されていないため、ある意味では推理漫画のような側面も見所といえるでしょう。
とはいえ、決して面白半分では読む事は出来ず、かなり心に来る事は間違いありません。
それでも、絵の可愛さやテンポの良さ、そしてキャラクターの描き方が巧みなので、ついつい読み進めてしまう魅力があるのです。
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みいちゃんと山田さん4巻について
みいちゃんと山田さんの4巻の発売日は2025年09月22日です。
何巻で終わるのかはまだ分かりませんが、非常に興味深い漫画なので、続きを追っていきたいと思います。
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