福本伸行先生の描く麻雀漫画「闇麻のマミヤ」。
「天」の世界を引き継ぎ「アカギ」が去ってから20年後という設定で描かれています。
ファンからの期待を集めた導入であり、久しぶりに先生の麻雀漫画が読める事に喜びを覚えた方もいらっしゃったかと思います。
しかし、4年ほどの連載の後、残念ながらマミヤの第一部は最終回を迎えました。
第二部開始の予告もないまま、福本先生の新作漫画「二階堂地獄ゴルフ」の連載が始まる事に。
以降、音沙汰もないため実質「打ち切り」になった可能性も否めません。
またネット上のレビューでは肯定的な意見もあれば、つまらないといった意見も半々くらいという賛否両論となっていました。
なので今回は、それを踏まえた感想を書いていきます。
(多少ネタバレはあるのでお気を付けください。)
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Contents
闇麻のマミヤの面白さについて
今作は麻雀に特殊ルールを加えた「闇麻」での勝負が見所です。
では、タイトルにもなっている闇麻とはいったい何なのか?
というわけでまずは、闇麻のルール解説から。
【闇麻のルール】
- 基本的なルールは麻雀と同じ。
- しかし「闇」と宣言する事で、捨て牌を裏に向けた状態で切る事が出来る。
その代償として千点棒をプールする。(闇供託) - 相手は二千点をプールする事で、捨て牌をオープンにできる「闇返し」が行える。
- 自身はさらに四千点をプールする事で闇返しを拒否し「完闇」にする事が出来る。
- 完闇になった捨て牌を確認する事は不可能。
というのが基本的なルール。
つまり、リスクを負いつつも「捨て牌を隠したり開いたり出来る」という駆け引きが行えるのです。
また、完闇になっても「闇ロン」をする事が出来、和了った場合は倍貰いとなるというのがポイント。
その際、積み立てられた闇供託も全て加算され、ツモかロンの直撃のみで支払われます。
ただし、闇ロン失敗したら「チョンボ」扱いなので、ハイリスクハイリターンな賭けと言えるでしょう。
以上のアイディアは非常に面白く、いかに闇を看破して「闇ロン」に至るかが、本作の見所なのです。
正体不明だが魅力のあるヒロイン
もう1つの見所は、福本作品では見られなかった「女性が主人公」という点です。
福本先生の描くキャラクターは独特であり、女性キャラを描くイメージはあまりないでしょう。
しかし、マミヤちゃんは作中では「かなりの美少女」的な存在となっています。
言葉遣いが乱暴ながらも乙女チックな所もあり、終始ノリが軽いです。
キャラクターとしては立っているし、可愛げや憎めない所や物怖じしない性格など、魅力はたくさんあるかと思います。
敵キャラとの掛け合いもギャグ調なのが面白く、読んでいて楽しいところでした。
賛否が分かれそうな点
魅力はありながらも、疑問や残念なポイントがなかったわけではありません。
3つほどあったので、そちらを掘り下げていきます。
何者かは最後まで明かされることはなかった
まず読んでいて疑問に思ったのは「マミヤがそもそも何者なのか?」という点でした。
「麻雀が強い」のは良いとしても、彼女が麻雀を打つ理由は明かされませんでした。
荒稼ぎしているわけでもないのに、なぜか自分の貞操を賭けてこれまで戦ってきたらしいですが、その理由は全く分かりません。
例えばアカギの人生観や天の人情などは割と最初の方に描かれていたのですが、マミヤにはそういう「価値観」的なものが曖昧なのです。
しかも、7巻まで読んでも正体不明のまま第一部が終わってしまうのも残念なポイント。
マミヤの素性は少しくらい明かして欲しかったと思います。
(もしごく普通の学生だったとしても、それはそれでアリなわけで。)
もし二部が出るとするならば、私生活や価値観などの内面の深堀りを期待したいです。
過去キャラクターの登場シーンはほぼなし
また、過去作の繋がりが薄かったのも残念な点でした。
今作は「アカギ」・「天」の世界を踏襲しているのですが、過去作キャラの登場はほとんどありません。
唯一メインキャラの一角として登場するのは、アカギに登場した「治」でした。
鷲津との戦いの後に治と再会するのですが、彼はアカギに言われた通りラーメン屋を開業しています。
治は貴重なアカギの若き日を知る人物でもあるのですが、いかんせんパっとしないお爺ちゃん(74)です。
裏社会を知っていそうな雰囲気はありますが、麻雀も弱ければ、バツイチで冴えない人生が描かれていました。
(実際、裏社会からは身を引いているはずなので、当然と言えば当然なのですが。)
そんな彼が果たしてメインキャラでいいのかといえば、ちょっと微妙な感じです。
ただ、主人公を引き立たせるためには都合が良い凡夫ポジションなのかもしれません。
仮に20年後の天やヒロが登場したとしても、マミヤは完全に喰われる可能性もありますからね。
けれど、そういう共演的な展開を期待した読者にとっては、やはり見どころとしてはいまいちかと。
最初の敵との戦いで最終回を迎える!?
単行本1巻における「0話」では、マミヤの強さが端的に分かるシーンが描かれています。
しかし、1話に登場した「敵(通称:工口70)」と7巻までずっと戦う展開なのも結構問題です。
最初に出てきた敵との戦いが終わると共に最終回を迎えるというのは、本当に意外過ぎる結末でした。
工口70は凄腕雀士というわけでもないのに、長期戦を強いられているため、マミヤの強さがぼやけてしまうように感じます。
そんな雑魚敵は瞬殺して、少しずつマミヤの生い立ちなどの人生にまつわるエピソードが描かれても良かったのではないかと。
しかも、闇麻の勝ち方としては地道な理詰めであり、それでいて意外とあっけなく勝負が決してしまいます。
このためだけの結末を描くためだったら、もう少し早く切り上げても問題なかったはずです。
元はと言えば、困っているアラサー男たちの3000万の借金をほぼノーリスク(?)でチャラにするという、緊張感もあまりない導入だったのもやや問題。
(マミヤの貞操の危機が煽られる事もない上、そもそも自分が持ちかけているわけですし。)
主人公側に失うものが少なかったため「楽しい麻雀」にしかならなかったです。
工口70も割とギャグ調のキャラクターでしたし、緊張感もない割に長く続くのは、やはり好みが分かれるかと。
かつての狂気の老人キャラの威厳が失われていくというのが「令和」の力なんですかね…。
アカギとマミヤの関係性はほぼなし
マミヤは麻雀漫画として見れば、普通に面白い漫画だったと思います。
けれど、アカギの名前を出す必要はなかったかもしれません。
残念ながら今作にアカギの要素はあまりなく、最初と最終回での回想シーンに出てくるだけで終わりました。
結局マミヤとアカギとの関係性はほぼなかったといえるでしょう。
マミヤはアカギの事を知らないし、隠された繋がりがあるかも不明です。
第一部の時点でのアカギは「過去の人」というポジションでしかなかったのでした。
なので、マミヤはマミヤで独立した作品でも良かったのではないかと個人的に思います。
もはや福本先生自身がブランドとなっているので、別にアカギの名前を出さなくても普通に麻雀漫画として読まれたのではないでしょうか。
(素人が偉そうに語って申し訳ありませんけれども。)
打ち切りではなく、あくまで第一部完という表記
終わり方としては打ち切りではなく、あくまで「第一部完」という表記となっていました。
麻雀としても決着はついているので、中途半端な終わり方ではないです。
ただ「零」もそうですが、続きそうな雰囲気がありながら、未だに続編が描かれていないという例もあります。
ですので、マミヤも第二部の構想もあるかもしれませんが、描かれるとは限りません。
現在福本先生はカイジの24億脱出編および、二階堂地獄ゴルフも連載中であるため、当面はそちらの執筆が優先されると思います。
ファンとしては、零はもはや諦めていますが、カイジの本当の最終回だけは見届けたいものです。
ちなみに、現在休載中のカイジ24億脱出編ですが、1巻~最新巻までのまとめ記事も書いています。
気になる方は👇の記事からどうぞ!
マミヤについて最後に
さて、マミヤというキャラクターは好きにはなれますし、治や工口70との掛け合いは見ていて楽しかったです。
令和の女学生と昭和のオジサンの対比は作中で度々出ていて、心理戦だけでなくコメディの要素も今作の見所となるのでしょう。
二階堂にも架純ちゃんという地下アイドルが描かれていましたが、そういうギャップのある関係は僕好きです。
というわけで以上になりますが、マミヤ第二部の連載を心待ちにしております。
最後になりますが、麻雀漫画としては普通に面白いと思うので、未読の方は一度読んでみてはいかがでしょうか?
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