「二階堂地獄ゴルフ」はつまらない? ネタバレと感想!

二階堂地獄ゴルフ ネタバレ

2023年に「カイジ24億脱出編」が休載しました。

まさか未完になるんじゃないかという危機感もありましたが何とか現在は連載中。

休載期間に何があったのかと言えば、福本先生はなんと新たな漫画を描いていらっしゃいました。

そのタイトルの名は「二階堂地獄ゴルフ」。

ざわ…  ざわ…

「ゴルフ」と聞いて、ある予感が走った…

この漫画のテーマは、ギャンブルじゃない…

おそらくは「黒沢」や初期の「天」ような、ダメなおじさんが奮闘するのがテーマ・・・!!

(ゴルフのギャンブルはすでに零でやっていますし)

はい、その読みは大当たりでした。

今回はそんな二階堂地獄ゴルフの感想を書いていきます!

「つまらない」という意見もあるようですが、僕としてはかなり面白い漫画だと思います。

まずはその辺の事を書いていきます。

(2024年時点で最新刊である4巻までの感想となります。)

二階堂地獄ゴルフがつまらないと言われる理由

「福本先生ならやっぱり”カイジ”や”零”みたいなギャンブル漫画でしょ!」

「アカギや天みたいない”麻雀漫画”が読みたいんだ!」

命を懸けたりひりつくシーンが見たいと思われている方にとっては、「二階堂地獄ゴルフ」はつまらない内容になっているかもしれません。

これはギャンブルでも麻雀でもなく、なんだったらゴルフの漫画でもないかもしれません。

これは黒沢とはまた違う方向の「夢を追うおじさん」が描かれているからです。

主人公はプロゴルファーを目指す二階堂 進(35歳)。

1話ではほぼ「9年前」の回想シーンで終わり、二階堂は公園のブランコでひたすら怒りを燃やしている姿が描かれているのです。

これは一体どういう漫画なのか、読者たちをざわ…つかせた漫画と言えるでしょう。

もちろん1話を読んだだけでは判断も付かない内容でした。

しかし、コミックスの1巻を読み終えれば分かります。

これは「夢」に苦しみながらも藻掻き足掻く主人公が描かれているという事を。

夢を追いかける姿がリアルすぎる

よく遅咲きの芸人さんは「下積みが長かった」という苦労エピソードがあります。

本作はそんな「下積み時代だけ」がひたすら描かれていく漫画です。

大抵は成功体験という華々しいゴールで終わるのでしょうが、この漫画には今のところそんなものはありません。

ゴルフの「プロテスト」を合格出来るかと思いきや全然できない、という事が繰り返されていくからです。

活躍シーンよりも、苦しいシーンの方が多く描かれていて、読者の精神をもゴリゴリと削っていきます。

そういうおじさんの苦悩を見る事が面白いのかと言えば、確かに好みが分かれると思います。

というか、つまらないと言われるのも納得できる気もしますね…。

現時点では4巻までですが、ちょっと希望が見えてきた…というところまで来ましたが、まだ先は分からない状況です。

まさに地獄の淵をさまようリアルな男の姿があるのです。

僕としてはその姿がカッコよく見えますし、それだけ夢に真っすぐ向き合える人間の「純粋さ」を感じたのです。

ですので「つまらなそうだから読むのはやめよう」と思われる前に、この漫画の魅力についてぜひご紹介させてください!

二階堂地獄ゴルフの見所 (ネタバレあり)

とりあえず4巻までのざっくりとした見所や感想を書いていきます。

ここからはネタバレを交えながら紹介していくのでご注意ください。

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① 夢を止める権利は誰にもない!

よく、夢を追いかけるのは若者はテーマにされますが「もし叶わなかった場合」はどうなるのか?

若い頃の二階堂はゴルフの腕を見込まれ、周囲からの期待も厚かったのです。

支援者から多額の金銭的な支援を受けながら、プロゴルファーとして夢に向かう二階堂。

皆の期待に応え、夢も叶えればハッピーエンドです。

しかし、プロテストにあと一歩のところで不合格。

次の年も、次の年も、次の年も…不合格。

一向にプロになる事は出来ないまま、10年もの月日が流れます。

35歳になっても、夢を諦めずに続けるという決意をしているのです。

しかし月日と共に、もはや二階堂だけの問題ではなくなっていきます。

最初は期待していた支援者や周囲も、二階堂を冷めた目で見るようになるのです。

そればかりか、もはやただの厄介者でしかなく、温情だった支援までもがほぼ打ち切り状態となるのです。

年をとればとった分、若い人間も出てきて後ろ指を指す人間も増えていきます。

普通ならそれでやめるところです。

が、二階堂はまだ諦めませんでした。

たとえ支援が打ち切られても、他人から期待されず、疎まれても、バカにされても、それでも前に進み続けるのです。

そんなボロボロでも頑張り続ける姿を見たら、グッと来ないわけがないのです。

見所②1巻から4巻で48歳…!?

しかも、二階堂登場シーンは35歳。

回想シーンにてプロを目指したのが25歳であり、作中の中ですでに「10年」が経っているのです。

そして3巻の時点でなんと48歳になってしまいます。

プロを目指しても一向に目が出ないまま、23年もの月日が流れてしまうのです。

これほど早く主人公が年老いていく様を描いた漫画は、これまでにあっただろうか…!?

実はゴルフのプロテストには年齢制限がない事も災いしていました。

一応「シニアツアー」といって50歳から参加できる競技もあります。

それでも二階堂はレギュラーツアーに拘るのです。

しかし、さすがに疲れ果てた二階堂は、自ら命を絶とうとするまでに追い詰められいきます。

そんな崖っぷちの最中でしたが、救いの神も現れました。

そして、これまでの努力が「誰かの希望」へと転化されるシーンも見所なのです。

見所③ヒロインの瀬戸 架純ちゃんが可愛い

また、今作のヒロインにも注目しておきたいところ。

実は僕は、福本先生の描く女性キャラは、失礼ながらあまり可愛いと思ったことがありません。

むしろ、美心のようなネタキャラを描く方が向いている、そう思っていました。

しかし、今作に登場するヒロインの架純ちゃんは初めて「可愛い」と思いました。

彼女もまた崖っぷちの地下アイドルとして、同じく夢に頑張る二階堂を「師匠」と仰ぎ、意気投合したのです。

架純ちゃんはノリもいいし、健気で頑張っているし、明るいし、とってもいい子なんです。

けれど、やがてアイドルの仕事は干されてしまい、茨城の実家へと帰ってしまうのでした。

ところが、すでに惚れまくっていた二階堂は、ゴルフを1度棄てて架純ちゃんの元へ転がり込むのです。

架純ちゃんも二階堂の事は嫌いではなく、むしろまんざらでもなさそうで、これがまたいい雰囲気になるんですよ。

年の差ラブロマンスとでもいうのでしょうかね。

僕はこの2人の恋の行く末を、心底応援しましたよ。

そんな2人の掛け合いやエピソードや結末が、めちゃくちゃ好きなんです。

ぜひその先を語りたいのですが、ここで書くのも野暮なので、未読の方は話はぜひ読んでいただきたいです。

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見所④ まさかのチート能力系漫画になる!?

さらに意外な展開を見せるのが3巻の後半です。

ずっと芽が出なかった二階堂ですが、とある特殊能力に目覚めてしまうのです。

それはジョジョで言うスタンド能力「キラークイーン・バイツァ・ダスト」を彷彿させるようなものでした。

簡単に言えば「時間を少しだけ巻き戻す」という福本漫画らしからぬものだったのです。

まさかの超展開に目を疑う読者も多数いた事でしょう。

あろうことか最近流行りの「チート能力漫画」に福本先生が乗っかってしまったのか?と最初は驚いたものです。

けれどそれは唐突なものではなく、実は1話からの伏線となっていたのです。

(なぜか二階堂の側には謎の小人がいて「ニカイドウ」というセリフを放っているのですが、それが「二回どう?」という意味だったという事が3巻で明かされます。)

ところが、チート能力を手に入れたからといって、都合よい展開にならないのが面白い所。

逆に、新たな展開が生まれたため、さらに見所が増えることとなりました。

最初こそ能力に目覚めた二階堂は「俺は無敵のゴルファーになれる…」と確信します。

知らずのうちにその能力を使って、これまで苦労したプレ予選を難なく通過してしまうのです。

けれど、それは人生を賭けた気高きスポーツ「ゴルフへの冒涜」だという葛藤も産まれて思い悩む事に。

そのため、二階堂は自分が「不正」している事への罪悪感も持つようになっていくのです。

みんなの期待を背負うプレッシャーも感じながらも、また自分が不正をしてしまうのではないかという不安も襲ってきて、逆に悩みが増えしまう二階堂。

果たして、二階堂は今後能力への誘惑に打ち勝つことができるのか…!?

というところまでが、4巻までの内容となっています。

チート能力を手に入れたからと言って必ずしも無双できないっていう心理描写が個人的に大好きです。

見所⑤ ゴルフを知らなくても面白い

何より素晴らしいのが、この漫画はゴルフを知らなくても楽しめるような内容となっている事です。

分かりやすい解説も多く、技術などをメインに描いているわけではないので、あくまでストーリーをじっくり堪能する事が出来ます。

厳しいプロの世界やそのルールなどにも焦点が当てられていて「こういう世界もあるのか」という見識も広がります。

恐らくは「プロテストの合格」が今作のゴールだと思うので、その過程が今後も描かれるのではないかと思います。

そして、ゴルフそのものよりもやはり福本先生の得意とされる「心理描写」も相変わらずリアルなので、それも引き込まれる魅力なのです。

二階堂地獄ゴルフ 感想

読んでみた感想としましては、終始「苦しい」です。

これだけ頑張って、何十年という膨大な時間を使っても成す事が出来ない。

そんな人生の残酷さが、ありありと描かれています。

一方「それだけ人生を賭けて挑めるような挑戦があっただろうか」と自分にも問いかけざるを得ないのです。

しかも、二階堂は下手の横好きではなく、確かなゴルフの才能があるのです。

なまじ才能があるというのもまた苦しみを生む要因になるという事は、凡人である僕は考えた事もなかったです。

しかし、二階堂の場合は結果としてゴルフそのものではなく「異能力」として開花してしまったのはちょっと驚きでしたが…。

それはそれで「大いなる力には大いなる責任が伴う」みたいなスパイダーマン的な「苦悩系主人公」であることに変わりはないのですけれど。

ただ苦悩だけではなく「熱いもの」も感じるのです。

苦しいだけでなく、自分が進みたい方向に真摯に向き合っていく姿。

そんな二階堂に魅了され、鼓舞されていくキャラクター達も現れ始めますが、それは読者も同じことかもしれません。

頑張る姿を見せられたら、こっちまで励まされます。

次の展開にも目が離せないため、次回の5巻も楽しみに待ちたいと思います。

まだ読まれていない方は、ぜひ1度読んで見て下さい!

福本作品は「進みが遅い」などと敬遠されている方もいるかもしれませんが、一気読みすればテンポよく読めるので、オススメです。

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