私が見た未来 予言一覧とハズレについて(ネタバレあり)

たつき諒先生作の「私が見た未来」における予知夢の一覧です。

「予言」と言われることもあるようですが、先生は予言者と名乗られているわけではなく、あくまで「予知夢」である事を記しておきます。

そんな予知夢において、当たったものとハズレたものについても解説します。

ネタバレもあるのでお気を付けください。

私が見た未来 完全版について

まず「私が見た未来」とは1999年に刊行されて以降絶版となった漫画です。

しかし、3.11の震災を予知したという事で話題となり、2021年に復刻版として刊行されました。

その復刻版は「完全版」と題して2部構成の内容となっています。

第1部では「予知夢編」と題し、夢にまつわるエピソードが2つが掲載。

  • 夢のメッセージ(初出:1995年 スコラ「恐怖体験」VOL.9)
  • 私が見た未来(初出:1996年朝日ソノラマ「ほんとにあった怖い話」9月号)

たつき先生が見たという夢をメモした「夢日記」が元になった内容です。

さらに、夢日記を深掘りした先生自身による解説も収録。

第2部ではこれまでたつき先生が執筆されたミステリー漫画が掲載されています。

こちらの方は予知夢とは関係ない漫画であるため今回は割愛いたします。

では、「私が見た未来」における予知夢とはどんなものだったのかについて触れていきましょう。

予知夢一覧と真偽について

それでは漫画内で描かれた予知夢一覧とその真偽について確認していきましょう。

①1989年8月27日の死体遺棄事件

1989年8月27日に、夢の中で見知らぬ「洞窟(防空壕跡)」と「何か言いたそうにしてる女性」を見たというたつき先生。

それから1年後の1990年8月、気分転換に神奈川県にある近所の公園を散歩をしたところ、夢と全く同じ場所を発見。

写真を撮り保管していたところ、翌週に同じ場所で「女性の遺体」が発見されたというTVニュースが流れました。

その女性が来ていた衣服は夢の中の女性のモノとまったく一致していたらしいとの事。

これが1つ目の予知夢となっています。

1989年8月27日の予知夢の真偽は不明

とういわけで、まずは1つの目の真偽について確認していきます。

ネット情報を調べた限り、事件があったとされる1990年の9月上旬の記事は見当たりませんでした。

神奈川新聞のHPも確認しましたが、流石に1990年代のニュースは保管されていなかったです。

引用:https://www.kanaloco.jp

また、神奈川県関係記事・文献情報検索も調べましたが、1990年代における事件は確認できませんでした。

引用:https://www.klnet.pref.kanagawa.jp

「事件」について検索し、年代順でソートしていますが、1988~1991年の間の事件は空白となっています。

新聞記事見出し検索(相模原市立図書館)も使いましたが、2007年以降のニュースしか検索できませんでした。

流石に40年近く前の地方新聞を探すとなると、さすがに個人では限界がある事をお許しください。

ただし、1990年9月に神奈川県では下記のような痛ましい事故があった事は確認できました。

1990年9月、神奈川県相模原市の中学校で3年生の男子生徒が、組み体操の4段の「人間タワー」で落下し、他の生徒の下敷きとなって圧死した。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/04efe8ec13de4e1fe87e876e8c20d56e65ac71b5

また、予知夢を見たとされる1989年8月では集中豪雨による土砂災害もあったようです。

川崎市高津区蟹ケ谷の住宅地で1989年8月、集中豪雨による崖崩れで6人が死亡した土砂災害から、1日で30年となった。大規模な崩落ではなかったが、生き埋めになった一家3人とともに、救助中の消防隊員3人が2度目の崩壊で犠牲になった。

https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-185887.html

膨大な事件・事故の中の1つを夢で見たからといってどうなんだ、という感想もなくはありませんけれど。

それに、そもそも先生が見たとされるのは、あくまで「何か言いたそうにしている女性」であり、別に彼女が殺される夢を見たというわけではありません。

そう考えると、殺人事件は単なるこじ付けという見方もできるのです。

従って、真偽は不明とさせていただきます。

②Queenのボーカル・フレディの死について

もう1つの夢は、イギリスのロックバンドQueenのボーカルであるフレディが流行り病で亡くなったニュースを見た、というものです。

最初に見たのは1976年11月で、1986年11月28日にもQueenにまつわる夢を見たとの事。

そして、5年後の1991年11月に、本当にフレディが亡くなったと言います。

先生はこれを「象徴夢的予知夢」という、予知が共通するイメージの元で伝えられ、メッセージとして見るものとされているのだとか。(ちょっと意味が分かりませんが。)

②フレディの予知夢についての真偽

明確にいつ亡くなるのかという日付を予言したわけではないので、どこまでを「予知」と言っていいのかは不明です。

11月に亡くなるという予知夢ではなく、「結果として夢を見た月が11月だったから」では、予知とは言えないのではないでしょうか。

そのため、これは予知夢とは呼べるものではないというのが個人の判断です。

それに、15年越しという長い期間をかけた予知夢ですが、その間にフレディ以外にも亡くなった偉人もたくさんいるかと思われます。

なので「1人にフォーカスしたところで別に…」という感想を抱いてしまう事に何か問題はあるでしょうか。
(僕も父が亡くなる夢を見た事がありますが、数年後に病気で本当に亡くなった、という経験はあるので。)

③1996年夏に起きるという津波について

「1981年に見た夢」というタイトルで書かれた夢日記は、「津波がやって来る」という内容でした。

その津波は1996年夏に発生するとされ、、その衝撃で先生は目を覚ましたと言います。

夢の中で津波が起こる前に見たのは「歩道橋」でした。

そして、その歩道橋は現実世界にもあるとある駅前に新しくできたものと似ていると言います。

果たしてこれは単なる夢なのか予知夢なのか…という場面で物語は終わるのです。

③1996年夏に津波は起きませんでした

この津波の予知夢は明確にハズレと言っても良いでしょう。

1996年8月の地震活動について」も調べましたが、大きな津波は確認されていません。

そもそも、日本国内では毎月毎年地震はどこかしらで観測されているわけであり、正直言ったもん勝ちというレベルの話です。

とはいえ「単なる夢かもしれない」という逃げ道も用意されていたため、「そもそも予知夢ではないかった!」という理屈も通るわけですが。

この手の話題はそういう不毛な議論がつきものなので、致し方ありません。

本編の予知夢の精度は?

「私が見た未来」における「予知夢」は以上の3点だけでした。

では、3.11の話題はどこから来たのかといえば、「漫画の表紙」にあります。

少々見えづらいですが、女性の頭部の方にいくつかの予言と思しき文章が書かれています。

分かりやすく書き直してみました。

  • 「1991年8月20日に見た夢 絵ハガキみたいな綺麗な富士山 すごい急いで雲がぐるぐる廻りながら吹きだした。」
    「雲がぶあ~と吹き出してきたと思ったら、富士山が噴火したものすごい音 ドーン」
  • 「1995年6月12日 回忌 これ何と読む? カイキ? どういうイミだ」
  • 「1994年7月2日 / 99.8.2 ノートの隅に印刷された日付」
  • 「天使 / 1995年1月2日に見た夢 荒れてビビの入った大地 連れてってと言ったら5年経ったら迎えに来ると言った」
  • 「大災害は2011年3月」
  • 「1992年8月31日に見た夢 ダイアナ? DAIANA」
  • 「1995年11月26日に見た夢 7月15日私の葬式は白装束がいいな」

この7つの予知夢の内の1つに「大災害は2011年3月」とあったため「3.11を予言した漫画家」という事で有名になりました。

なぜこの日付が書かれたのかと言えば、単行本の締め切り日に夢で見た日付を表紙に書かれたとの事です。

本編で描かれた1996年に起きなかった津波とは関係なく、単に重要だと思ったから付け加えたと言います。

なので、「大災害」という曖昧な表現ではあったものの、当たったと言えば当たったと言えるのかもしれません。

それ以外はハズレており、当然富士山は噴火していませんし、1995年6月12日だったり、1995年1月2日などの日付を全部調べましたが、特に何も起こっていません。
(阪神・淡路大震災は1995年1月17日に起きましたが。)

1995年11月26日の白装束についても、先生が亡くなる事もありませんでした。
「2007年5月25日に死ぬ」という夢も見られたそうですが、2025年現在もご健在のようです。

「DAINA」については「ダイアナ妃の死」に関係があるとは先生は考えていないようですし。

そんなハズレばかりの予知夢の中で2011年3月が書かれたのは確かにちょっと不思議であり、偶然なのかはたまた…?

ただ、地震といえば「2024年8月14日に巨大地震が起こる」というデマも拡散されましたが、もし本当に当たっていたら本当の「予言」になっていた事でしょうね。

もちろん「ただの結果論」と捉えることも可能です。

2025年7月5日について

加えて、先生は完全版の刊行により新たな予知夢を見たそうです。

それは「2025年に日本列島を襲う、地球規模の大災害」というものでした。

インドに滞在中で見られたそうで、東日本大震災の時よりも3倍ほどの巨大な津波が襲ってくるとの事。

場所としてはフィリピンの中間あたりの海底が噴火するという内容となっています。

その衝撃によって、陸が推されて盛り上がり、香港、台湾、フィリピンが地続きになるように見えたと言うのです。

その後、大災難を生き残った人たちによる頃の時代、魂の進化が起こる…というなんというかオカルトというかスピリチュアルな話へと発展していました。

そんな大災難に対し警鐘を鳴らす事が先生の役目なんだとか。

また、具体的な日にちについても、あとがきに2025年7月5日と明記されていました。

信憑性について

では、この予知夢について信憑性があるかと言えば、当然のように根拠は全くないです。

それに「夢日記の全内容」が記されていない事もあり、どれくらいの精度なのかも計算のしようがありません。

これまでどの程度の予知夢を日記に書かれていて、どれくらい当たったのかが分からない限り、確率を導く事は出来ません。

それに、災害はいつ何時あってもおかしくはないため、いちいち真偽を考えるのも無駄だと思われます。

よって、当たりやハズレについてもこれ以上語る必要はありません。

そもそも、解説編においても「予知夢は自分に関係する事件や事故に限られている気がする」という一文があるため、あまり周囲がとやかく言うものでもなかったのかもしれません。

ですので、これらの予知夢は先生だけのものであり、周りを巻き込む必要はなかったんじゃないかと勝手に思っています。

ただし、大切なのはやはり災害に対する意識を高める事であり、それについては同意しかないです。

私が見た未来 まとめ

とりあえず来る7月5日に何が起こるかは分かりませんが、今日という日を大切に過ごす事が一番かと思います。

それに7月5日に何もなかったとしても、後日また何かしらの「予言や予知」が流行し、今回みたいな動揺が広がるのでしょうね。

ノストラダムス然り、マヤ暦(2012)然り。

先生も外れた場合「本当の災害はやっぱり2030年だ!」とか言い出すんじゃないですかね。

もうそういうの本当にいいんで。

「嘘も百回言えば真実となる」というのはプロパガンダの手法でもあるため、虚偽・風説の流布には気を付けたいところです。

また先生に限らず、ジュセリーノ・ダ・ルースみたいな予言者も後を絶たない事も忘れないようにしましょう。

ただ話の種としては面白いかもしれないので、ぜひ漫画をご一読ください。

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