僕たちにとって「お金を稼ぐ」という事はごく当たり前に行われています。
しかし、お金を稼ぐのは大変なことでもあり、時にはつらい事もあります。
そこでもし、好きな事が仕事ができれば、それに越したことはないのでしょうか?
そこで今回は「お金を稼ぐこと」の意味を明らかにし、「好きな事を仕事に出来るのか?」を考えていきたいと思います。
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そもそもお金を稼ぐって何?
さて、最初に「お金を稼ぐこと」の意味を考えいきましょう。
そのために、まずは身の回りのモノを見て下さい。
その手にはスマホやパソコンがあり、家にはテレビやテーブルなどの日用品が溢れていると思います。
では、それらの日用品の中で、すべて一から自分で作ったモノは存在しているでしょうか?
恐らく、そんなモノはほとんどないと思います。
身の回りにあるモノは、他人が働くことによって生み出されたものであり、それに対し対価を支払うからこそ、僕たちはそれを手に入れることが出来るのです。
では、その対価とはどこから来るのかといえば、僕らも何らかの仕事に就き、働くことで得ることが出来ます。
つまり、お互いがそれぞれの仕事をすることで、財やサービスといった価値を生み出し、お金を通じて交換できる、というわけです。
そして、そうやって仕事を通して自分がなんらかの「価値」を生み出した結果が、「お金を稼ぐ」という事につながるのです。
その一方で、仕事をしなければ、何の価値も生み出せないし、何の役にも立たないことをしても、当然お金にはならないのです。
つまり、たとえいくら頑張って製品やサービスを作ったとしても、他人から「それには価値がない」と判断されれば、交換は発生しなくなるのです。
というわけで、「好きな事を仕事にする」という事は、まずはこのことを念頭に置いて考える必要があります。
ボランティアと仕事の違いは何か?
では「誰かの役に立つ事をすれば、必ずお金になるのか?」と言われれば、そうではありません。
たとえば、家事や無償ボランティアのような、人の役に立つような「価値のある行動」をしたとしても、お金をもらう事ができない事があります。
では、そういったボランティアと仕事の違いはなんでしょうか?
次は、それを考えてみましょう。
誰が誰にお金を支払うか?
仕事の特徴は、誰が誰にお金を支払うか、という事が明確になっているという点です。
例えば、サラリーマンなら会社からお給料が振り込まれるという契約が交わされます。
ところが、ボランティアではそれが成立しないのです。
たとえば、僕が道でゴミ拾いを始めたとしましょう。
それは、地域のためにもなり、人の役に立つことです。
けれど「清掃したから、お金をください!」といって道行く人に声をかけたり、市役所へ報告に行ったところで、お金はもらえないのです。
もしそんなことをすれば、ある種の恐喝でしかないのです。
つまり、ボランティアは「他人や地域の為に価値ある行動」であっても「誰が支払うのか?」が明確にされていないため、お金にはならないのです。
なので、仕事をするということは、誰かと誰かの間に何らかの契約があり、それがお互いに明確である事が求められるのです。
好きなことを仕事にするには?
さて、以上を踏まえて、「好きなことを仕事にする」とはどういうことかを考えてみましょう。
前述の通り、「価値がないもの」に対し、人はお金を支払いません。
また、仕事とは、誰が誰のためにしているのか、ということがお互いの間で明確でなければなりません。
では、ここで1つ質問があります。
「自分が好きな事をする」という事は、そもそも誰の為になるのでしょうか?
恐らく、そこで何より優先されるのは「自分」となると思います。
自分が好きだからするわけなので、「他人のため」などという目的は二の次になるでしょう。
それはつまり、お金を払う相手の事を全く考えていない事を意味します。
よって、ただ好きな事をするだけでは、お金にはならないのは明らかなのです。
とはいえ、何も「不可能だからやめなさい」、といっているわけではありません。
つまり、「自分の好きな事でもあり、他人にとっても役立つ事」をすれば、それこそが「好きな事を仕事にする事」と言えます。
実際にそうしてお金を稼いでいる人もいるわけですからね。
では、それがどういう人たちなのかを、具体的な例を挙げて考えてみたいと思います。
好きな事でお金を稼ぐ人とは?
では、「ゲーム」を例にしてお金を稼ぐには、どうすればいいか考えてみましょう。
少し昔であれば、ゲームで稼ぐには「ゲームを作って売る」という方法くらいしかありませんでした。
しかし、今ではゲームをプレイする側も稼ぐ事が可能となっています。
では、どうしてそんなことが可能なのでしょうか?
その大きな要因の一つは「広告」です。
たとえば、世の中にはプロゲーマーと呼ばれる人たちがいます。
プロゲーマーがどうしてお金を稼げるかといえば、大会の賞金があったり、スポンサーがつくからです。
では、なぜスポンサーはプロゲーマーに出資するのでしょうか?
それは、彼らが活躍することによって、ゲームの知名度が上がったり、プレイする人が増えれば、それだけゲーム会社の利益になるからです。
つまり、ゲームをしていても、「広告を宣伝してくれる」という価値を持つからこそ、彼らにはお金が入るのです。
ですので、彼らは一見遊んでいるように見えても、「他人の役に立つ仕事」をしているのです。
よって、「好きな事をしながらも、他人の役に立つこと」は両立できると言えるでしょう。
Youtubeで稼ぐ人とは?
他の例として、「YouTuber」の場合を考えてみましょう。
なぜ YouTuberにお金が入るのかといえば、これもまた「広告」のおかげです。
自分の好きな事を動画で撮影しつつ、それを見てくれる人に広告を宣伝すれば、これこそが「好きな事を仕事にする」という事となります。
ただし、その際、視聴する側にとって「面白さ」とか「魅力」といったメリットがなければ、動画は再生されることは、ほぼないでしょう。
そうして視聴者から「価値がない」と判断されれば、当然広告収入も0となります。
ゆえに、動画を配信する場合、人からの注目を浴るために、視聴者を楽しませる、という目的が必要となるといえます。
ですので、やはり「ただ好きな事をやっていればいい」というわけではないのです。
しかし、昔から言われるように「買い手よし、売り手よし、世間よし」という「三方よし」の精神があれば、お金を稼ぐ事も可能になるでしょう。
お金を稼ぐことは悪い事ではない
ただ、「好きな事を仕事にする」には、もう1つ大事な思考があります。
それは「お金を稼ぐことへの罪悪感を減らす事」です。
というのも、僕たちはなぜか、「お金稼ぎ」という言葉に対し「卑しい事だ!」などといって、マイナスイメージが付きまとうのです。
時には「お金持ちは悪人だ!」などといって、非難の対象にもなる事もあります。
しかし、日本は資本主義社会である以上、お金を稼がない事には生きていけません。
ですので、他人を騙すのはダメですが、価値を生み出しお金を稼ぐことは、決して悪い事ではないのです。
よって、お金を稼ぐために必要なのは、「そもそもどうやってお金にするのか?」というマネタイズ的な思考なのです。
もし、マネタイズな思考がないまま行動してしまうと、先ほどの無償ボランティアのように、「誰もお金を払ってくれない」状況にもなります。
もちろん、「無償で役立つこと」をするのは立派ですが、それだけでは生きていけず、その先に待っているのは童話の「幸福な王子」のような結末なのです。
なので、もし「人々の為に何か行動したい」と思うならば、「それでお金を稼ぐためにはどうするのか?」という目的も同時に併せ持つ必要があるのです。
他人も幸せに出来て、自分も幸せになれれば、バッドエンドは避けられるし、お金を稼ぎたいと思う気持ちは、決して悪い事ではないのです。
言うは易く行うは難し
さて、ここまで色々書きましたが、ここで残念なお知らせがあります。
上記のお話は「理論上の話」であり、現実はどうなるか分からないという事です。
「頭の中だけで考える」のと、「実際にやってみる事」は、話は別なのです。
というのも、「他人のためになる」というのは一見簡単なようで、非常に難しいことだからです。
例えば、お金に限った話ではなく、相手のために良かれと思ってやったのに、実はありがた迷惑だった、なんて事は日常的にもよくある事だと思います。
また、「相手のため」にはなっていても、技術や品質が追い付かないという、自分の能力不足に気づく事もあるでしょう。
ですので、もし新しいビジネスを立ち上げたとしても、全然相手にされなくて倒産する事も、ごく当たり前の事なのです。
つまり、一番肝心な「お金を稼ぐための具体的な方法」はみんな分からないし、分からないからこそ成功者は一握りなのです。
もし、成功すればいいものの、失敗した時の損失は計り知れないのです。
世間では、そうした失敗を恐れるがあまり、誰もやろうとしない事が多々あるのですから。
それこそが、大きな壁として立ちふさがるのです。
それに他人とは気まぐれなので、最初は良くしてくれても、途中で飽きられたり必要がなくなった途端、すぐにお払い箱にされる、なんて事もありえます。
また、人によっても何が価値があるのかというのも千差万別といえるので、「自分が好きな事」云々よりも、まず考えるべきは、「お金を稼ぐこと自体が非常に難しい事」という理解なのです。
それを踏まえたうえで、「好きじゃないけど、自分に出来る仕事をする」のか、それとも「自分の好きな仕事を優先する」のかを選ぶ必要が出てくるのです。
そこでもし、「好きな事を仕事にする」という選択するのであれば、決して甘い考えではいられず、普通に働くよりも険しい道であることは間違いないでしょう。
ですので、たとえ迷いながらでも、僕たちは仕事を「出来る事」と「やりたい事」に分けて考え、現実と折り合いをつけていく事が、大切なのではないかなと考えています。
副業という選択
ただし、もっと現実的に言うならば、極限までのリスクを背負う必要もなかったりします。
例えば、本業とは別に「副業」や「趣味の延長」的な感覚でも、お金稼ぎに取り組むことは出来るからです。(最近では「複業」などとも言われたりしますが。)
本職には敵わないかもしれませんが、低リスクでチャンスを得るためには、それが一番有効だと思います。
そうすれば、思わぬスキルアップや副収入になり、本業からの収入もあって生活も安定するでしょう。
理想と現実を加味して考えれば、それが妥当な結論だと思います。
ただし、そのためには「時間の確保」が非常に大きな課題にはなるでしょうが、決して不可能ではありません。
ですので、「自分には無理だ」などと言ってすぐに諦めるよりかは、いろんな方面から考えたうえで「好きなこと」とどう向き合っていくのかを考えるのが適切だと思います。
好きなことを突き詰めるという生き方
ところが世の中には、それらをまったく無視して、自分の道を突き進める人も存在しているのも事実です。
例えば、自分の好きな音楽を作ったり、自分の描きたいような絵を描くことで、それが周囲から注目されたり、評価をされるといった場合です。
たとえ自分が自分のためにやっている事であっても、他人から見て「面白そう!」とか興味を持たれたら、それはビジネスのチャンスになりえる、というわけです。
それが出来れば本当に「好きなことが仕事」になる事もあるかもしれません。
ただし、それは「運任せ」か「才能」の産物いえるので、その自覚があれば大いに結構なことだと思います。
しかし、それがただの思い違いだった場合は、いつまでたっても一銭も稼げない結末になってもおかしくはありません。
ですので、最悪の場合、何も得られない結末を避けたいならば、目の前の仕事に取組み、誰にどう役立てるか、という事を考え、実行する方が建設的だといえます。
好きな事は仕事にできるのか? おわりに
それと最後に、老婆心ながら1つ注意喚起をしておきます。
それは「楽してお金を稼ぎたい」と思うのは、非常に危険だという事です。
世の中には、あの手この手で怪しげなビジネスを持ち掛けてくる人がいます。
あるいは、仲間や同士を集めようとしたり、やたらとコミュニティを作ろうとする人たちもいます。
特に「好きな事をしたい!」とか「もっとお金を稼ぎたい!」という人を狙って、彼らはやってくるのです。
そこでもし、彼らの甘言や弱みに付け込まれれば、だまし討ちを喰らったり、金銭的な損失も出てくることでしょう。
もちろん全員が詐欺師なのかといえばそうではありませんが、「お金を稼ぐ方法を知りたい」と思った瞬間から、怪しい人に出くわす確率はぐんと上がるのです。
そういう怪しい人達は、好き勝手に強い発言を繰り返す傾向にありますが、その言葉に対し、責任を取ることなど一切なく、その甘い言葉に惑わされたら最後、ドツボにハマることもあるでしょう。
最近は、そういう「信者ビジネス」も横行しているので、非常に気を付けたいと思っています。
ですので、僕たちはお金を稼ぐ際には、「騙されないように気を付ける事」を忘れてはいけないのです。
(付け加えて言うならば、本当に大切なのは、「騙されたり失敗した後に、何を学ぶか」という点だったりしますが。)
というわけで、今回のお話はここまでです。
皆様のお力に慣れたら幸いです。