恐ろしさやタブー、そして面白さと魅力がたっぷり詰まったショートアニメーション作品の数々。
個人的にオススメの作品をまとめました。
一応やや蛇足的な解説も入れつつ、ご紹介していきます。
Contents
就活狂想曲
「就活狂想曲」
様々なショートアニメは数あれど、個人的に最も大好きな作品。
それがこの「就活狂想曲」。
就職活動を強烈なまでに皮肉りつつも、ユーモアのある作画と演出で、最後までコメディチックに描かれています。
もはや就活は「日本の文化・伝統行事」なのだと感じられます。
ただ、皮肉とはいえ、就活を頑張る人を応援したくなる作品でもあり、見方によっては「自分も頑張ろう」と思える…かも?
また、映像に合わせた音楽も、不穏でありながらどこか心地よく、終盤にかけての畳みかるようなスピード感が特に大好きです。
「KUROKO」
「KUROKO」
ショートアニメは、皮肉やブラックなネタが多くなりがち。
それが良さでもありますが、この作品は「平和」そのもので、優しさにあふれています。
発想の面白さと表現方法はまさにユーモラス。
エンターテイメントとして純粋に楽しめる名作ショートアニメーションです。
Afternoon Class
Afternoon Class
こちらは韓国のフリーランスのイラストレーター及び映像作家として活動するSeoro Oh氏の作品。
学校に通ったことがある人ならだれもが共感するであろう「睡魔」を表現しています。
主人公の頭が形を変えていく様、そして「現実と夢のはざま」における圧倒的な表現力。
ほのぼのとしたワンシーンにおける「闘い」が楽しめました。
ラストにはどこか温かいメッセージを感じます。
Leaving Home
Leaving Home
ある家族の1つの出来事を描いた内容。
甘えてくれる息子は可愛いかもしれない。
しかし、甘えてばかりで、人にやらせてばかりいては腹が立つ。
けれど、いざ息子が家を出て、独り立ちしてしまえば、それはそれで寂しい…。
あれだけ何度も家に帰ってきた息子だけど、最後は帰ってこないまま終わる。
息子という立場でみるのか、親という立場で見るのかで、見方は大きく変わるかもしれません。
In The Fall
「In The Fall」
さて、ここからややブラックになっていきます。
ロンドンを拠点に活動されているイラストレーター兼アニメーターSteve Cutts氏の作品。
「会社員」という人生に疑問を投げかけるような内容。
走馬灯を見ながら落下していく疾走感はあれど、後半からはカレンダーがめくられていくだけ…。
のんびり煙草をくわえながら落下していく彼は何を思うのか。
哀愁と悲壮感もあるけれど、どこかコメディータッチなのがたまらなく好き。
ラストはブラックなんですがね…。
Happiness
「Happiness」
こちらも、先ほどご紹介したSteve Cutts氏による作品。
これもまた、資本主義社会というものを痛烈に描写されています。
病院に行き、死刑台のように薬に飛び込んでいき、おしまい・・・
かと思いきや、そこから意表を突く展開にはちょっと笑いました。
これぞまさに「ラットレース」ですが、だからといって不幸とは決めつけられないし、これもまた人生の形…かもしれません。
CHILDREN
「CHILDREN」
学校における「画一的」で「模範的」なければならない、という暗黙のルールが描かれています。
子供の鬱屈した思いが巧みに表現されていて、暗く、深く、痛みを伴ったメッセージ性を感じます。
僕も学校が大嫌いだった人間なので、共感した部分も多いです。
子供は「大人に従わざるを得ない」ため、疑問を口に出す事も出来ず、ただ従うだけ…。
そして、ある日それは爆発してしまう事もあるのでしょう。
作り手からの、非常に繊細な感性が伝わってきました。
Nuggets
「Nuggets」
一見すると、単調な動作が繰り返されていくだけの動画に見えます。
けれど、確実に訪れていく体の変化…。
これが何を意味するのかは、きっと誰もが想像した通りでしょう。
シンプルながら、強いメッセージ性を持った作品です。
MAN
「MAN」
さて、今回、最後にご紹介するのはまたまたSteve Cutts氏の「MAN」です。
「現代の人間の業」をコミカルだけどグロテスクに描かれています。
これぞ風刺ショートアニメの傑作と言っても過言ではないでしょう。
実際、僕はこれを見てから「ショートアニメ」に興味を持ちました。
これを見て何を思うかは、視聴者に委ねられないといけないと思います。
ちなみに作中で使われている曲は、戯曲『ペール・ギュント』における、第1組曲 「山の魔王の宮殿にて」(作曲:グリーク)です。
最後はそちらをご紹介して、おしまいとさせていただきたいと思います。
というわけで、以上で今回のショートアニメ紹介はおしまいです。
ショートアニメの中には、極端にグロいものや、恐怖心を掻き立てるものもありますが、当ブログの方針として残念ながら掲載は見送らせていただきました。
もし、みなさんもオススメのショートアニメ等がございましたら、ぜひ教えていただけると幸いです。